中国、マカオの管理水域明確化=陸地の2.8倍にあたる85平方キロ分
- 2015/12/17 10:32
- 社会・政治
中国国務院香港マカオ事務弁公室の報道官は12月16日、新版「中国マカオ特別行政区行政区域図(草案)」の内容について、マカオの陸地から東、南方向に広がる85平方キロの海域をマカオ特別行政区の管理水域とすることなどが盛り込まれたと発表した。
マカオは中国大陸から伸びるマカオ半島と沖合に位置するタイパ島、コロアン島、さらに、タイパ島とコロアン島の間を埋立造成したコタイ地区で構成され、陸地面積はおよそ面積30平方キロ。昨年(2014年)、中国の習近平国家主席がマカオ返還15周年記念式典に出席するためマカオを訪れた際、これまで曖昧だったマカオ周辺の水域管理権を明確化する方針を打ち出していた。
今回、マカオは周辺海域85平方キロのほか、マカオ半島北部にある中国本土とのボーダー周辺の陸地の一部についてもマカオの管理区域とされた。マカオの水域管理範囲及び陸地境界線を明確化した新版のマカオ行政区域図はマカオ返還16周年記念日にあたる今月(12月)20日に国務院令として公布される予定。中国国務院香港マカオ事務弁公室は、図に示された範囲においてマカオの法律が適用されることになると説明している。
中国国務院香港マカオ事務弁公室の発表を受け、マカオのフェルナンド・チュイ(崔世安)行政長官は同日夜にコメントを発表。中国中央政府及びマカオと隣接する広東省政府、珠海市政府に感謝の意を表するとともに、新たに管理が明確化された水域を活用し、持続的発展を可能とする産業の多角化の推進を図る方針などを示した。また、新たに埋立造成を実施する場合には、従来通り中央政府に上申すること、新埋立地をゲーミング(カジノ)施設用途としないことも付け加えた。

マカオの管理水域イメージ(図版:GCS)

海に囲まれたマカオ(資料)=2015年4月(写真:GCS)