客室稼働率9割超…ザ・リッツ・カールトン・マカオ好調を支えるファミリー層

昨年5月、マカオ・コタイ地区の大型IR(統合型リゾート)ギャラクシーマカオ内にマカオ初進出となるザ・リッツ・カールトン・マカオがオープンした。全230室がスイート仕立てというマカオ随一の豪華ホテルだが、2015年末までの平均客室稼働率は9割超を記録したとのこと。マカオに100軒あるホテルの平均(同年1〜11月)が約8割となっており、同ホテルの好調ぶりが際立つ。

ギャラクシーマカオは6つの異なるブランドのホテルを併設するという世界的にも珍しいメガリゾートだ。ザ・リッツ・カールトン、バンヤンツリー、ホテルオークラ、JWマリオットといった特色ある国際ブランドホテルが「ひとつ屋根の下」にあり、激しい競争が繰り広げられていることも容易に想像できる。

ザ・リッツ・カールトン・マカオは昨年11月、「リッツ・キッズ ナイト・サファリ」というファミリー向けの新プランを打ち出した。客室内に子供用のキャンピングテントを用意し、冒険気分が味わえるという斬新な企画内容で注目を集めている。ザ・リッツ・カールトンといえば、エグゼクティブ層をターゲットにした大人の雰囲気漂うハイエンドホテルブランドという印象が強く、ブランドイメージとミスマッチのように思えるが、一体どういった戦略があるのだろうか。記者が実際にホテルを訪れ、取材を行った。

ザ・リッツ・カールトン・マカオのレセプションは、ホテル51階にあり、車寄せのある正面玄関から直通エレベーターでアクセスする。大理石をふんだんに用いた豪華なインテリアとリゾート全体を見渡すことができる大きな窓が印象的なロビーラウンジに案内され、贅を極めた雰囲気にやや緊張しながら担当者を待った。

ザ・リッツ・カールトン・マカオの客室(ベッドルーム)イメージ—本紙撮影

ザ・リッツ・カールトン・マカオの客室(ベッドルーム)イメージ—本紙撮影

同ホテルのマーケティング担当者によれば、オープン以前は、記者がイメージしていた通りの客層に加え、VIPカジノ客を主なターゲットとして想定していたそうだが、いざ営業をスタートしてみると、予想を上回るファミリー層の来客があったとのことで、客室稼働率のアップに貢献しているようだ。ロビーラウンジで取材をしている間も、確かに多くの子供連れのゲストの姿を見かけた。

「リッツ・キッズ」は、ザ・リッツ・カールトン・ホテル・カンパニーが海洋生物学者のジャン・ミッシェル・クストー氏とのコラボレーションで2013年12月に導入したキッズ向けプログラムで、宿泊中に教育、文化、アドベンチャー、環境意識向上といった経験を提供するもので、「リッツ・キッズ ナイト・サファリ」はマカオのほか、中国本土、日本の沖縄のグループホテルでも展開しているという。

早速、「リッツ・キッズ ナイト・サファリ」プランの客室を見せていただいた。ザ・リッツ・カールトン・マカオの客室は、最も小さいタイプでも85平米と余裕があり、ベッドルームとリビングが仕切られている。部屋に入ると、手前にあるリビングの一角にキッズサイズのキャンピングテントが置かれているが目に入った。かなりインパクトが強い。ホテルを訪れる子供は、記者と同じく最初は雰囲気に圧倒され緊張気味というが、いざ部屋に入ってテントを見た瞬間、目を輝かせ、すぐに中に入って遊び始めるという。また、個人のプライベート空間を意識するきっかけとなり、保護者と離れてテントの中で人生初のひとり寝を経験する子供も多いという。ちょっとした冒険体験ができる子供はもちろん、子供の成長に目を細め、ゆっくりベッドで寛げると保護者にも受けがいいようだ。客室にはテントのほか、オリジナルのぬいぐるみ、各種キッズ専用アメニティが用意されていた。

「リッツ・キッズ ナイト・サファリ」プラン用のキャンピングテントが置かれたザ・リッツ・カールトン・マカオの客室(リビング)イメージ—本紙撮影

「リッツ・キッズ ナイト・サファリ」プラン用のキャンピングテントが置かれたザ・リッツ・カールトン・マカオの客室(リビング)イメージ—本紙撮影

さて、ザ・リッツ・カールトン・マカオの「リッツ・キッズ ナイト・サファリ」プランの気になるお値段だが、大人2人、子供(4〜8歳)2人の最大4人までの宿泊1泊1室、クラブラウンジ及びリゾート内のキッズ向けプレイ施設「JWキッズクラブ」利用権、送迎サービス、ザ・リッツ・カールトン・カフェのアフターヌーンティセットを含み4398パタカ(別途10%サービス料及び5%政府税加算)〜という。直近のレートで日本円換算すると、約6万5000円といったところだ。

余談だが、ホテル内ではスタッフが子供たちに積極的に話しかけているのが印象的で、子供たちも一人前のゲストとして迎えられているのを感じてか、少し背伸びをして品良く振る舞っているように見えた。ファミリーが多いといっても、騒がしく感じたり、走り回る子供の姿を見かけなかったのも、さすがといえる。

マカオのホテル客室数は2015年11月末現在で約3万1700室だが、目下、マカオでは大型IRの建設ラッシュが続いており、2020年頃までに5万室を上回る規模となる見通し。ますますマーケットの競争が激化する中、各ホテルが戦略的な料金や個性豊かなサービスといった施策を打ち出すことが期待される。

ザ・リッツ・カールトン・マカオに宿泊するキッズゲストは菓子やお絵描きセットが入った「リッツ・キッズ」アメニティがもらえるとのこと—本紙撮影

ザ・リッツ・カールトン・マカオに宿泊するキッズゲストは菓子やお絵描きセットが入った「リッツ・キッズ」アメニティがもらえるとのこと—本紙撮影

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