カジノ業が約6割占める=2014年マカオ産業統計公表
- 2016/1/21 8:46
- 産業・経済
世界最大のカジノ売上を誇る都市として知られるマカオ。面積約30平方キロ、人口約64万人という小さな街に大小36のカジノ施設が建ち並ぶ。世界遺産、グルメ、ショッピングといった観光要素も揃い、年間訪マカオ外客数はおよそ3000万人に上る。
マカオの税収のおよそ8割を占めるのがカジノ税、労働人口の8人に1人がカジノを中心としたゲーミング業及びカジノ仲介業に従事するなど、マカオ経済の屋台骨といえる。
マカオ政府統計調査局は1月20日、一昨年(2014年)のマカオの産業構造統計を公表。生産者価格評価よる産業付加価値総額は前年から実質2.8%の下落だった。産業付加価値総額における第三次産業産業の占める割合は前年から1.5ポイント下落の94.8%、第二次産業は1.5ポイント上昇の5.2%、第一産業は前年に続きゼロだった。
第三次産業の割合が前年を下回ったのは2006年以降で初めて。下落要因として、同年下半期以降のカジノ売上の不振が挙げられる。一方、大型インフラプロジェクト及びIR(統合型リゾート)施設の建設ラッシュに伴い建設業が好調だったことから、第二次産業の割合は上昇した。
業種別で最も大きな割合を占めたのがゲーミング産業で、4.9ポイント下落の59.1%。以下、1.0ポイント上昇の7.1%の不動産業、前年並みの5.3%のホールセール・リテール業といずれも第三次産業と続く。第二次産業の建設業はそれらに次ぐ1.4ポイント上昇の4.3%だった。
なお、マカオのカジノ売上は2014年6月から2015年12月まで19ヶ月連続で前年割れが続いている。

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)