マカオの3月ホテル客室稼働率76.5%=供給増で0.9ポイント下落も宿泊客数は大幅増

マカオは人口64万人、面積30平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリなどの国際イベントが数多く開催されるアジア有数の観光都市として知られる。

昨年(2015年)通期の訪マカオ外客数は延べ3071万4628人となり、前年から2.5%減だったものの3000万人の大台を2年連続突破した。今年3月の訪マカオ旅客数は4.2%増の延べ237.7万人で3ヶ月ぶりに前年の同じ月を上回り、宿泊を伴う旅客については14.1%増の117.3万人に上った。

マカオ政府統計調査局が4月28日に公表した最新統計によれば、今年3月の平均ホテル客室稼働率は76.5%で、前年同月から0.9ポイント、前月から2.1ポイントのそれぞれ下落だった。旅客総数、宿泊を伴う旅客ともに増加した中での客室稼働率下落の要因として、昨今の相次ぐ新ホテル開業により供給客室数が急増したことが挙げられる。

今年3月のホテル等級別の客室稼働率は、5つ星が前年同月から3.1ポイント下落の76.3%、4つ星が2.4ポイント上昇の79.9%、3つ星が5.4ポイント上昇の79.7%。なお、5つ星ホテルの供給客室数が11.7%、4つ星ホテルが28.4%のそれぞれ増、3つ星ホテルは供給客室数に変動なしだった点も考慮する必要がある。

今年3月末現在、マカオで営業中のホテル数は前年同月から7軒増の106軒、客室数は同13.9%増の3.21万室あり、このうち5つ星ホテルが5軒増の32軒で、客室数は全体の63.6%を占める2.04万室。

今年3月のマカオのホテル宿泊客数は前年同月比12.7%増の延べ89.3万人。内訳は中国本土旅客が9.8%増の55.7万人、香港旅客が44.7%増の14.5万人、台湾旅客が11.1%増の2.9万人、韓国旅客が15.1%増の2.1万人、日本旅客が2.8%減の1.6万人だった。ホテル宿泊客の平均滞在滞在時間は前年同月と変わらずの1.4泊。

今年第1四半期(1〜3月)のホテル宿泊客数は前年同期比13.4%増の266.0万人、平均ホテル客室稼働率は1.9ポイント下落の77.2%、ホテル宿泊客の平均滞在滞在時間は0.1日マイナスの1.4泊。

客室供給数が増える中、客室数の多い大型IR併設ホテルを中心に各社が値下げプロモーションによる積極的な集客を打ち出したことで、一定の需要喚起の効果があったものとみられる。

マカオではホテル建設ラッシュが続いており、近い将来、供給数は5万室規模に達する見込み。

昨年(2015年)5月に開業したJWマリオットホテルマカオ。窓からは建設中の大型IRを複数望むことができる(資料)—本紙撮影

昨年(2015年)5月に開業したJWマリオットホテルマカオ。窓からは建設中の大型IRを複数望むことができる(資料)—本紙撮影

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