カジノ低迷長期化のマカオ、スポーツくじ運営会社の業績は安定=事業拡大計画も

世界一の売上を誇るカジノがどうしても目立ってしまうが、マカオには競馬、ドッグレース、スポーツくじ、ロトといった各種ギャンブルも存在する。

マカオの昨年の年間カジノ売上は前年から34.3%の大幅減、月次でも今年(2016年)4月まで23か月連続で前年割れとなっているが、スポーツくじの売上については安定した成長が続いている。

マカオでスポーツくじ(サッカーくじ及びバスケットボールくじ)の独占運営権を持つマカオスロット(澳門彩票有限公司)のディック・ホー(何展鵬)CEOは5月20日、マカオケーブルテレビとの協力協定調印式に出席した際、マカオスロットの近年の業績は安定を維持し、一定の成長も見受けられるとコメント。同氏によれば、オンライン顧客の45%がマカオ以外のエリアにいるため、マカオのカジノ売上低迷の影響は小さいという。また、マカオ政府と別のスポーツについても追加できるよう交渉を進めていく意向を示した。

マカオスロットは1989年に設立され、当初は香港とマカオを結ぶ船内でインスタントロトの販売を行っていた。その後、1998年にサッカーくじ、2000年にバスケットボールくじの販売権を獲得。現在、マカオ市内9ヶ所のベッティングセンターのほか、インターネット、電話を通じてくじを販売している。ちなみに、同社が取り扱うサッカーくじの対象試合にはJリーグや日本代表戦も含まれる。

同社はマカオカジノ最大手のSJMホールディングスやマカオの競馬及びドッグレースなどを傘下に持つ総合観光・娯楽企業グループSTDM社(本社:マカオ)の子会社。

なお、昨年のマカオの年間カジノ売上が2308.40億パタカ(日本円換算:約3兆1850億円)だったのに対し、スポーツくじの売上6.73億パタカ(約93億円)に過ぎない。

マカオ・三盞燈エリアにある「マカオスロット」のベッティングセンター(資料)—本紙撮影

マカオ・三盞燈エリアにある「マカオスロット」のベッティングセンター(資料)—本紙撮影

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