マカオ、11月の悪質タクシー検挙数306件…ぼったくりと乗車拒否が8割=前月から改善も依然暗躍続く
- 2016/12/7 18:59
- 社会・政治
近年、マカオでは一部の悪質なタクシードライバーによるぼったくりや乗車拒否が大きな社会問題となっている。消費者利益及び観光都市としてのイメージを著しく毀損する行為として警察と交通当局がパトロールを強化して臨んでいるものの、依然暗躍が続いている状況だ。
マカオ治安警察局は12月7日、今年(2016年)11月の違反タクシー及び白タクに関する取り締まり状況を公表した。
11月の違反タクシーの検挙総数は前月から32.6%減となる306件で、このうちぼったくりが42.5%減の149件、乗車拒否が9.2%減の99件あり、全体の81%を占めた。なお、前月は観光客が押し寄せる国慶節連休や路線バスが運休する台風警報シグナル8の発令もあって検挙数が急増していた。
今年1〜11月の違反タクシーの累計検挙数は3815件にも達しており、このうち、ぼったくりが1583件、乗車拒否1295件を占める。
なお、実際には泣き寝入りなどもあるとみられ、統計に表れない悪質タクシーによる被害が相当数あると予想される。
マカオは面積約30平方キロメートルの小さな街だが、人口約65万人、年間訪マカオ外客数は約3000万人であるのに対し、タクシー総数はおよそ1080台にとどまっており、需要に追いついていないとの見方もある。マカオ政府は供給数を年内に1500台まで増やして対応する考えを示している。
現行法ではぼったくりや乗車拒否といった違反についてのドライバーへのペナルティが1000パタカ(日本円換算:約1万4300円)の罰金のみという極めて甘い内容であることも指摘されており、罰則強化を盛り込んだ法改正の準備も進められている。
また、11月のいわゆる白タクの検挙総数は前月の45.4%減となる153件で、このうちスマートフォン向けアプリを使った配車サービスに関するものが44.8%減の138件だった。
世界各地でスマートフォン向け配車サービスを展開する「Uber(ウーバー)」が昨年10月にマカオ進出を果たしたが、警察及び交通事務局は同サービスについて白タクにあたるとの見解を示し、取り締まりの対象とする方針を打ち出している。