マカオ大横琴新校舎建設費膨張問題に監査

2013年9月の開校を目指して建設工事が進められているマカオ大学横琴新キャンパスの建設費用について、2010年4月に設定された当初予算58億パタカ(約580億円)が2011年11月に98億パタカ(約980億円)、さらに2012年12月に102億パタカ(約1,020億円)へと大幅膨張している。

マカオ政府監査局は、この件に関する特別監査報告を14日に発表し、見積もりの甘さ、コスト意識不足などを指摘した。

監査局による調査レポートによると、当初予算58億パタカには建設に必要な57もの項目が抜け落ちていたという。その後、2011年11月に広東省サイドとの「補充協議」により予算上限を98億パタカとする合意をしていたが、さらに計算に漏れや差異などがあったことから、結果的に2012年3月時点で上限を超える102億パタカへと膨張している。また、見積もり査定のための根拠が非科学的かつ不完全といえる点も多かったという。

なお、2012年3月以降にかかる経費については未知数で、最終的にどこまで金額が膨らむのかにも注目が集まりそう。

マカオ大学横琴新キャンパスプロジェクトの敷地面積は108.99ヘクタール、総建築面積94万平米、市政道路面積13万平米で、15棟の建築物群、80棟の単体建築物、水道・電気・ガス・通信・情報インフラ、税関、警察署、生活サービス施設等から成る。プロジェクト主体はインフラ整備を担当する政府建設發展辦公室。

マカオ大学新キャンパス(手前)、蓮花大橋(中央)、コタイ地区(奥) (c) 澳門大學

マカオ大学新キャンパス(手前)、蓮花大橋(中央)、コタイ地区(奥) (c) 澳門大學

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