日本のカジノ解禁がマカオに与える影響に言及するのは時期尚早…実施法の内容次第=モルガンスタンレー

昨年(2016年)末、日本において統合型リゾート施設(IR)整備推進法が施行となった。カジノ売上世界一を誇るマカオでも、日本のカジノ解禁に関するニュースは大きな注目を集めている。

1月10日午後、アジア最大級のカジノ見本市、「G2Eアジア2017」(5月開催)の概要発表記者会見が行われ、ゲストの大手投資銀行モルガンスタンレーのアジアゲーミングリサーチ主管、プラビーン・チャウドハリー氏が今年の日本のカジノ解禁をテーマにスピーチを行った。

同氏によれば、日本でIR推進法が施行されたばかりの段階で、実施法が国会を通過するのに今後6〜12ヶ月程度の時間を要し、例えばターゲットを日本人とするのか、海外から日本を訪れる旅客とするのかなど、その時点になってより多くの情報が得られることから、現時点で日本におけるカジノ解禁がマカオに与える影響に言及するのは時期尚早であるとのこと。

その上で、将来的なマカオのカジノ市場の動向に予測するにあたって、日本におけるカジノ解禁だけではなく、中国本土の市場開放の方向性など複合要素を見極める必要があるとした。ちなみに、2010年にシンガポールでカジノ解禁が実現した際、総投資額は60億米ドル(日本円換算:6965億円)に達したが、マカオへの影響は大きくなかったという。

なお、日本に最初のカジノ施設がオープンする時期については、3〜5年後との見通しとのこと。

「G2Eアジア2017」開催概要発表記者会見でスピーチを行うプラビーン・チャウドハリー氏=2017年1月10日、バンヤンツリーマカオ(写真:G2E Asia)

「G2Eアジア2017」開催概要発表記者会見でスピーチを行うプラビーン・チャウドハリー氏=2017年1月10日、バンヤンツリーマカオ(写真:G2E Asia)

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