マカオ新交通システムの車両輸送がスタート、日本から=ゆりかもめと同タイプの三菱重工製

マカオ政府運輸基建弁公室(GIT)は10月20日、広島県にある三菱重工三原製作所で生産されたマカオ新交通システム(マカオLRT)の車両「オーシャンクルーザー」について、同日、初めてとなるマカオへの輸送がスタートしたと発表した。

今回マカオへ輸送されるのは営業用車両1編成(4両)とメンテナンス車両で、早ければ11月初旬にもマカオに到着。タイパ島の海洋駅に搬入され、各種テストを実施するとのこと。営業用1両のスペックは全長11.8メートル、横幅2.8メートル、高さ3.8メートル、重量15トン。

マカオ初となる軌道系大量輸送機関として大きな期待がかかるマカオLRT第1期プロジェクトはマカオ半島北部の關閘から外港フェリーターミナル、新口岸、南灣湖を経由して媽閣に至るマカオ半島線、媽閣から西灣大橋を経てタイパ島に入り、大型IR(統合型リゾート)が建ち並ぶコタイ地区を通ってマカオ国際空港、タイパフェリーターミナルに至るタイパ線の2線、21駅、21キロメートルで構成される。

GITでは、第1期プロジェクトのうち、2012年末に先行着工したタイパ線(9.3キロ、11駅)の開業予定時期を「2019年」としているが、マカオ半島線は未定の状態が続いている。

マカオLRT第1期プロジェクトは、国際入札を経て日本の三菱重工と伊藤忠商事の共同体が駅舎と土木工事を除くLRTシステム一式を46億8800万パタカ(日本円換算:約661億円)で受注しており、マカオの公共工事として日本企業が獲得した最大規模の案件としても注目されている。東京の「ゆりかもめ」と同タイプ(クリスタルムーバー型)の日本製の鉄道車輌がマカオの街を走る予定。

広島県の三菱重工三原製作所からマカオへ向け輸送がスタートしたマカオLRT用の車両=2017年10月20日(写真:GIT)

広島県の三菱重工三原製作所からマカオへ向け輸送がスタートしたマカオLRT用の車両=2017年10月20日(写真:GIT)

関連記事

最近の記事

  1.  マカオにはコロアン島にハクサビーチ(黒沙海灘)とチョクワンビーチ(竹灣海灘)の2つのパブリックビ…
  2.  マカオでは、まもなく年間最大の書き入れ時となる「五・一」労働節ゴールデンウィークを迎える。マカオ…
  3.  マレーシアのMJets Air(Mジェットエア)が4月28日、同国のクアラルンプール国際空港とマ…
  4.  マカオは人口約68万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR…
  5.  マカオ政府とカジノ経営コンセッションを結ぶ6陣営の一角で、香港上場のSJMホールディングスは4月…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月29日、国際旅客誘致策の一環として昨年(2024年)実施した香…
  2.  仏ミシュラン社は3月13日、香港・マカオでも高い知名度と信頼性を誇る人気グルメガイド「ミシュラン…
  3.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」の新線「横琴線(…
  5.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…

注目記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  3.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…

イベントカレンダー

5月 2025
    1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
« 4月   6月 »
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2025年5月号
(vol.143)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun