マカオ、禁煙ゾーン拡大と罰金引き上げ含む改正新禁煙法施行初月の違反件数510件

世界的な健康意識の高まりを受け、マカオでは屋内公共エリア及び公園などの大半を禁煙とする「新禁煙法(喫煙予防及びコントロール法)」が2012年元旦から施行され、市内ではマカオ政府衛生局(SSM)の法執行官(禁煙Gメン)が昼夜を問わず巡回取り締まりを行っている。

今年(2018年)元日から改正法が施行となり、マカオ国際空港とカジノに設置された喫煙所を除く屋内パブリックエリアを全面禁煙としたほか、屋外に関してもバス停・タクシー乗り場の周囲10メートルを新たに禁煙ゾーンに設定。コンビニエンスストア、スーパーマーケット、新聞スタンド等の店頭におけるたばこ製品の公開陳列が禁止となり、禁煙ゾーンにおける違反喫煙に対する罰金が従来の2.5倍に相当する1500パタカ(日本円換算:約2万0420円)になるなど、各種罰金が大幅に引き上げられた。

SSMが2月7日に発出したプレスリリースによれば、新禁煙法が施行された2012年元旦から今年(2018年)1月末日までの禁煙Gメンによる巡回場所は延べ165万1801箇所(1日平均延べ743箇所)、違反人数は延べ4万5210人に達したといい、愛煙家に対してあらためて法律を遵守するよう呼びかけた。

改正法施行初月となる今年1月1日から31日の期間に限ると、禁煙Gメンによる巡回場所は延べ3万4280箇所(1日平均延べ1106箇所)、累計違反件数は510件だった。違反の内訳は、禁煙ゾーンでの違法喫煙行為が507件、基準を満たさないパッケージの商品が3件。このうち、新たに禁煙ゾーンに設定されたバス停の周囲10メートルでの違反件数は全体の13.3%にあたる68件だった。

違法喫煙行為の違反者のうち、男性が全体の92.9%を占める471人、女性が7.1%の36人、海外(中国本土・香港・台湾含む)からの旅客が63.7%の323人、マカオ市民が32.7%の166人、海外労働者が3.6%の18人。取り締まりにあたって警察の協力を必要とした事案が11件あった。なお、罰金の納付率は72.7%。

マカオのカジノ施設は、2014年10月6日からハイローラーと呼ばれる大口ギャンブラーを対象としたVIPルームが分煙、平場にあたるマスゲーミングフロアが全面禁煙となった。マスゲーミングフロアには喫煙ルームが設置されている。

カジノ内については、SSMとカジノ監理当局にあたるDICJが合同で取り締まりを行っている。今年1月1日から1月31日までの2部局による合同巡回場所は延べ71箇所、違法喫煙行為は146件あった。違反者は男性が全体の93.8%を占める137人、女性が6.2%の9人、海外からの旅客が89.7%の131人、マカオ市民が10.3%の15人。

マカオ政府はVIPルームについても、マスゲーミングフロア同様の喫煙ルームを設置するかたちでの禁煙化を実施する予定。このほか、増税によるたばこ製品の値上げや免税持ち込み範囲の縮小などの施策も相次いで講じられおり、愛煙家を取り巻く環境は厳しさを増している。

新たに禁煙ゾーンに設定されたバス停の周囲を巡回するSSMの「禁煙Gメン」たち=2018年1月1日(写真:SSM)

新たに禁煙ゾーンに設定されたバス停の周囲を巡回するSSMの「禁煙Gメン」たち=2018年1月1日(写真:SSM)

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