マカオ、18年1月のホテル客室稼働率93.5%…対前年8.7ポイント上昇=日帰りから滞在型へのシフト進む

マカオは人口約65万人、面積約30平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリをはじめとした国際イベントが数多く開催されるアジア有数の観光都市として知られる。

昨年(2017年)通期の訪マカオ外客数は前年から5.4%増の延べ(以下同)3261万0506人となり、3000万人の大台を4年連続突破するとともに、2014年以来となる最多記録を更新。今年(2018年)1月の訪マカオ旅客数は前年同月から4.7%減の274万1465人にとどまったが、宿泊を伴う旅客は8.8%増の148万3107人に上った。旅客減の要因は多客期の旧正月シーズンが昨年は1月、今年は2月となった月ズレによる影響。

かつて、訪マカオ旅客の大半が日帰りだったが、昨今では宿泊を伴う旅客が増加傾向にあり、一昨年6月から今年1月までの間、昨年1、2月を除いて宿泊を伴う旅客が日帰り旅客の数を上回った。

マカオ政府統計調査局が3月1日に公表した最新統計によれば、今年1月の平均ホテル客室稼働率(簡易宿泊施設に相当するペンサオンを含む、以下同)は前年同月から8.7ポイント上昇の90.3%だった。

対前年の客室稼働率は大型台風により甚大な被害に見舞われた昨年8月に15ヶ月ぶりの下落となったが、9月は再び上昇に転じ、今年1月まで対前年プラスを維持した。

今年1月のホテル等級別の客室稼働率は、5つ星が前年同月から10.0ポイント上昇の93.5%、4つ星が9.6ポイント上昇の91.9%、3つ星が5.2ポイント上昇の86.2%。なお、5つ星ホテルの供給客室数が2.2%増、4つ星ホテルが横ばい、3つ星ホテルが2.6%増だった点も考慮する必要がある。

今年1月末現在、マカオで営業中のホテル数は前年同月から7軒増の114軒、供給客室数は同2.6%増の3.72万室あり、このうち5つ星ホテルが33軒で、供給客室数は全体の59.9%を占める2.23万室。

今年1月のマカオのホテル宿泊客数は前年同月比12.9%増の117.6万人。主な内訳は中国本土旅客が20.0%増の81.5万人、香港旅客が19.5%減の10.2万人、韓国旅客が37.2%増の5.2万人、台湾旅客が1.1%減の4.0万人、日本旅客が3.4%減の1.6万人だった。ホテル宿泊客の平均滞在時間は前年同月から横ばいの1.4日。

昨今、マカオでは宿泊を伴う旅客が増加する一方、相次ぐ新ホテル開業による供給客室数の急増により一昨年5月まで15ヶ月連続で客室稼働率が下落していた。こういった状況の中、客室数の多い大型IR併設ホテルを中心に各社が値下げプロモーションによる積極的な集客を打ち出したことで、一定の需要喚起の効果があったためとみられ、同年初夏以降の客室稼働率は再び上昇に転じていた。

マカオではホテル建設ラッシュが続いており、近い将来、供給数は5万室超に達する見込み。

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

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