マカオで今年初のデング熱域内感染…患者は大型カジノIR併設ホテルに勤務の男性

マカオ政府衛生局(SSM)は6月19日夜、今年(2018年)に入って初めてとなる域内デング熱感染者を確認したと発表。

SSMによれば、患者はマカオ半島北部の黒沙環地区に住み、コタイ地区にある大型カジノIR(統合型リゾート)併設ホテルに勤務する58歳のマカオ人男性。6月10日に発熱、筋肉痛、脱力感といった症状が現れ、同日及び翌11日に大型総合病院の鏡湖醫院を受診。その後、13日になっても症状が続いたため、再度同院を受診したところ、急性上気道感染症と診断され、入院。15日には熱は下がったものの、全身に発疹が現れ、16日の血液検査では血小板が減少。19日にSSM公衆衛生研究所のデング熱IgG、IgM、PCR検査結果で陽性反応が確認された。

患者への聞き取り調査によれば、直近14日間はマカオ域外に渡航しておらず、マカオ半島北部にある貯水池周辺で運動するのが日課だったと話しているとのこと。SSMでは、疫学分析の結果を踏まえ、今年初の域内デング熱感染事案であるとの判断を下した。なお、患者はすでに熱も下がっており、同居の妻、娘、勤務先の同僚にデング熱特有の症状は出ていないという。SSMでは、患者の住居及び勤務先周辺で蚊の駆除を実施した。

マカオでは昨年(2017年)域内デング熱感染が7例、マカオと隣接する広東省珠海市からの越境労働者の感染例が1例確認された。今年は1月、3月、4月に輸入性デング熱感染が3例確認されており、このうち2例の患者はマレーシア、1例はタイへの渡航歴があった。

SSMでは、デング熱予防のため、自宅やオフィス周辺で蚊の発生源となる水たまりの除去、流行地の東南アジア地域を訪れる際は淡色の長袖シャツを着用すること、宿泊する場合は空調付きまたは蚊帳などのある施設を選び、外出時は虫除けスプレー等を使用するよう市民に再度呼びかけた。マカオはすでに本格的な雨季に入っており、デング熱やジカ熱を媒介する蚊が繁殖しやすい環境となっていることから、十分な注意が必要となる。

マカオは面積約30平方キロ、人口約65万人(海外労働者約18万人含む)の小さな都市で、訪マカオ外客数は年間3200万人超に達しており、人口密度が極めて高く、人の出入りも多い。

マカオの街頭に掲出されているデング熱への注意を呼びかけるサイネージ(資料)-本紙撮影

マカオの街頭に掲出されているデング熱への注意を呼びかけるサイネージ(資料)-本紙撮影

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