飛び地にあるマカオ大学キャンパスで密入境対策訓練…フェンス隔てて中国本土

2014年に開校したマカオ大学の新キャンパス。マカオと川を隔てて隣接する中国広東省珠海市の横琴新区に位置し、開校と同時に大学キャンパス敷地内がマカオ特別行政区の管轄範囲となり、いわば「飛び地」にあたる存在となった。キャンパスの外周はフェンスで囲まれ、出入口はマカオ・コタイ地区との間に新たに建設された河底トンネルのみとなっている。

しかしながら、開校後まもなく、キャンパス外周のフェンスを乗り越えて中国本土側からマカオへ密入境する事案が相次いだことで、大きな社会的関心事となった。

マカオ税関(澳門海關)は7月9日午前、広東省公安当局、マカオ大学警備チーム、マカオ政府交通事務局と合同でマカオ大学キャンパスにおける密入境対策部門の連携強化及び危機管理能力向上を目的とした大規模訓練を2年連続で実施。訓練は4人の密入境者が侵入したとのシナリオで行われ、警報システムの動作、各部門間の横断的情報共有及び臨機応変な対応、密入境者の捜索、追跡、身柄確保の手順などを確認したという。

密入境者に扮してキャンパス外周の水路を進むマカオ税関職員=2018年7月9日(写真:澳門海關)

密入境者に扮してキャンパス外周の水路を進むマカオ税関職員=2018年7月9日(写真:澳門海關)

マカオ税関によれば、今年(2018年)1月から6月までに摘発した密入境事案は前年の同じ時期から22%減の64件、密入境者数は同32%減の141人だったとのこと。また、2016年3月以降、マカオ大学キャンパスで密入境者は確認されておらず、各部門の連携による密入境対策が一定の成果を得たとの見方を示した。マカオ税関では、赤外線監視カメラの運用、ドローン部隊の立ち上げといった最新技術を用いた法執行能力の向上にも務めているとしている。

マカオは1999年にポルトガルから中国に返還されたが、以降も独自の出入境管理を行っている。中国本土籍の旅客がマカオを訪れる際、香港マカオ往来通行証と呼ばれる渡航証とビザに相当する渡航許可を取得するのが一般的だが、およそ2〜3ヶ月に1回7日間といったかたちで一定期間内の入境回数や滞在日数などに制限が設けられていることなどから、違法な就労や賭博、観光などを目的とした密航やオーバーステイが後を絶たない。不法行為を手引きする蛇頭も暗躍し、超過滞在者の隠れ家となる違法宿泊施設の存在なども社会問題化している。

密入境対策訓練の様子=2018年7月9日(写真:澳門海關)

密入境対策訓練の様子=2018年7月9日(写真:澳門海關)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ治安警察局は4月21日、自動車の運転者と歩行者の安全を確保するため、マカオ域内の各所でキッ…
  2.  マカオ・コタイ地区にあるギャラクシーアリーナで7日間にわたって開催された「ITTF(国際卓球連盟…
  3.  マカオでは、ひと頃に比べて状況は落ち着いたものの、依然として悪質タクシーが暗躍しており、市民や観…
  4.  マカオ治安警察局の発表によれば、4月19日から同日からポルトガルとシンガポールのパスポート保有者…
  5.  マカオ司法警察局は4月19日、同月17日にマカオの公共の場所でフィリピン人とみられる男らが集まっ…

ピックアップ記事

  1.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…

注目記事

  1.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年4月号
(vol.130)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun