マカオで今年5人目の輸入性デング熱感染者確認=患者はタイ・プーケット渡航歴ある男性

マカオ政府衛生局(SSM)は8月9日午後、今年(2018年)に入って以降で5人目となる輸入性デング熱感染者を確認したと発表。

SSMによれば、患者はマカオ半島北部にある集合住宅に居住し、マカオ半島新口岸地区にあるホテルに勤務するマカオ人男性(48)。7月27日から8月1日にかけて妻とタイ・プーケットへ旅行に出かけたという。マカオへ戻った後の4日に発熱、筋肉痛、関節痛の症状が現れたため、私立のクリニック及び公立総合病院の仁伯爵綜合醫院救急外来を受診。8日になっても症状が持続し、上半身や頭部に発疹が出たことから、私立の総合病院の鏡湖醫院救急外来を受診し、同院でデング熱検査のため採血を行い、9日にSSM公衆衛生研究所のPCR検査結果が明らかとなり、デング熱2型に感染していることが確認された。現在、患者は熱も下がり、容体は好転しているとのこと。また、妻と同居の家族及び勤務先の同僚については特にデング熱特有の症状は見受けられないという。SSMでは、患者の渡航歴、症状、検査結果などを踏まえ、輸入性デング熱であると判断。患者の住居周辺で蚊の駆除を実施した。

マカオでは昨年(2017年)域内デング熱感染が7例、マカオと隣接する広東省珠海市からの越境労働者の感染例が1例確認された。今年は1月、3月、4月、7月に輸入性デング熱感染が4例確認されており、このうち3例の患者はマレーシア、1例はタイへの渡航歴があった。また、6月には今年初めてとなる域内感染例も確認されたばかり。

SSMでは、デング熱予防のため、自宅やオフィス周辺で蚊の発生源となる水たまりの除去、流行地の東南アジア地域を訪れる際は淡色の長袖シャツを着用すること、宿泊する場合は空調付きまたは蚊帳などのある施設を選び、外出時は虫除けスプレー等を使用するよう市民に再度呼びかけた。マカオではこれから本格的な雨季に入り、デング熱やジカ熱を媒介する蚊が繁殖しやすい環境となるため、域内においても注意が必要となる。

マカオは面積約30平方キロ、人口約65万人(海外労働者約18万人含む)の小さな都市で、訪マカオ外客数は年間3200万人超に達しており、人口密度が極めて高く、人の出入りも多い。

マカオの街頭に掲出されているデング熱への注意を呼びかけるサイネージ(資料)-本紙撮影

マカオの街頭に掲出されているデング熱への注意を呼びかけるサイネージ(資料)-本紙撮影

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