マカオ北部の交通の要衝、關閘バスターミナルが1年4ヶ月ぶり再開…17年台風13号で水没=修復費用は約24億円

2017年8月23日にマカオを襲った台風13号(国際名:ハト)の影響により水没し、およそ1年4ヶ月にわたって修復工事が行われてきたマカオ半島北部の關閘バスターミナルが12月15日の始発から運用を再開した。

關閘バスターミナルはマカオと中国広東省珠海市拱北地区を結ぶ關閘イミグレーション(通称:ボーダーゲート)の地下部分にあり、マカオ市内各所との間を結ぶ多くの路線バスが発着するマカオ半島北部最大の交通の要衝として知られる。

水没前には24路線が乗り入れていたが、修復工事中は近隣の10のバス停に迂回を余儀なくされていた。今回の再開にあたって、まず13路線(1、3、3X=降車のみ、10、17、27、25、25B、30、34、51A、AP1、MT4)が乗り入れる。

マカオ政府交通事務局(DSAT)によれば、13路線合計で以前の6割程度となる1日平均17万人超の旅客数を想定しているという。再開初日は土曜日で、バスターミナル内の旅客の滞留状況、周辺道路の車の流れについても概ね順調だったというが、17日以降の平日のピーク時間帯や中国本土方面から多くの旅客が訪れる2月初旬の春節シーズンの状況などを確認しながら、今後乗り入れ路線数の調整を進める予定とした。

およそ1年4ヶ月ぶりに再開したマカオ半島北部の關閘バスターミナル=2018年12月15日(写真:DSAT)

およそ1年4ヶ月ぶりに再開したマカオ半島北部の關閘バスターミナル=2018年12月15日(写真:DSAT)

また、修復工事に投じた費用は1億7000万マカオパタカ(日本円換算:約24億円)に上り、空調、換気、電気、消防システムのほか、待合室やトイレについても設備を一新し、利用者の快適性向上を目指したとのこと。

なお、再開初日の午後1時頃、バスターミナル内でバス同士の接触事故が発生し、乗客3人が軽傷を負った。警察と消防の発表を総合すると、現場周辺の路面におよそ80メートルにわたって別のバスから漏れたとみられるオイルが広がっており、これによるスリップが原因のようだ。目下、オイル漏れを起こしたバスの特定など、詳しい調査を作業を進めているとした。

關閘バスターミナルの待合室エリアには整列乗車のためのレーンも設けられている=2018年12月15日(写真:DSAT)

關閘バスターミナルの待合室エリアには整列乗車のためのレーンも設けられている=2018年12月15日(写真:DSAT)

関連記事

最近の記事

  1.  澳門海關(マカオ税関)は4月29日、同月14日から26日にかけて2025年第1次粤港澳(広東・香…
  2.  マカオ半島・新口岸地区の南湾湖畔に位置する大型ショッピングモール「ワンセントラルマカオ(One …
  3.  マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)は5月1日、今年(2025年)4月の月次カジノ売上(粗収益、…
  4.  4月30日、マカオ立法会と政府との間で2025年施政方針の運輸・工務領域における政策討論が行われ…
  5.  マカオにはコロアン島にハクサビーチ(黒沙海灘)とチョクワンビーチ(竹灣海灘)の2つのパブリックビ…

ピックアップ記事

  1.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  2.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月29日、国際旅客誘致策の一環として昨年(2024年)実施した香…
  4.  仏ミシュラン社は3月13日、香港・マカオでも高い知名度と信頼性を誇る人気グルメガイド「ミシュラン…
  5.  4月30日、マカオ立法会と政府との間で2025年施政方針の運輸・工務領域における政策討論が行われ…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…

イベントカレンダー

5月 2025
    1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
« 4月   6月 »
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2025年5月号
(vol.143)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun