マカオが誇る「信号のない横断歩道では歩行者優先」の良心…交通マナー改革進む

中国本土や香港を訪れた際、信号のない横断歩道を渡るのに苦労した経験をお持ちの方も多いだろう。自動車優先が暗黙の了解のようになっており、歩行者はうまくタイミングを見計らって渡らなくてはならず、スピードを落とさず突っ込んできたクルマにクラクションを鳴らされ、小走りで渡り切らなくてはならないといったことすらある。

一方、同じ中華圏でも、マカオは歩行者優先がほぼ徹底されており、比較的安心して横断歩道をわたることができる。マカオ政府が交通マナー改革に積極的に取り組んできた成果で、これをマカオの良心として市民は誇り、インバウンド旅客からも絶賛されている。

近年、マカオ警察は信号のない交差点における歩行者優先を徹底するため、罰則の強化とともに、抜き打ちも含む取り締まりを継続実施している。目下、4月15日から1週間に及ぶ取り締まり強化週間の最中だ。取り締まりに加え、交通マナー向上を訴求するプロモーションも同時展開している。

マカオの自動車及びバイクによる歩行者優先義務違反取り締まりの様子(写真:マカオ治安警察局)

マカオの自動車及びバイクによる歩行者優先義務違反取り締まりの様子(写真:マカオ治安警察局)

マカオ治安警察局が発表した最新データによれば、今年第1四半期(2019年1〜3月)の信号のない横断歩道における自動車とバイクによる歩行者優先義務違反の件数は418件で、前年同時期から1.4%の下落だった。

ただし、歩行者による赤信号時あるいは横断禁止場所での横断の違反件数は同77%増の619件に上った。同局では、自身の安全はもちろんのこと、道路秩序を守るため、歩行者側も安全意識向上に努め、ルールを遵守してほしいと呼びかけている。

なお、現行のマカオにおける自動車及びバイクによる歩行者優先義務違反の罰則は、初犯が600〜2500マカオパタカ(日本円換算:約8300〜3万4500円)の罰金、累犯では1200〜5000パタカ(約1万6600〜6万9000円)及び運転禁止6ヶ月となっている。歩行者による赤信号無視及び横断禁止場所横断の罰金は300マカオパタカ(約4100円)。

マカオの自動車及びバイクによる歩行者優先義務違反取り締まりの様子(写真:マカオ治安警察局)

マカオの自動車及びバイクによる歩行者優先義務違反取り締まりの様子(写真:マカオ治安警察局)

関連記事

最近の記事

  1.  マカオでウィンマカオ(マカオ半島新口岸地区)及びウィンパレス(コタイ地区)の両カジノIR(統合型…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)と治安警察局は5月6日、マカオにとって第一、第二の旅客ソースにあたる…
  3.  マカオ政府衛生局は5月6日、近ごろマカオで水痘ウイルスが活発化しているとし、住民に対して水痘(水…
  4.  きょう(5月6日)、マカオ・コタイ地区にあるギャラクシーインターナショナルコンベンションセンター…
  5.  マカオ政府統計センサス局は5月6日、今年第1四半期(2025年1〜3月)の人口統計を公表。 …

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月29日、国際旅客誘致策の一環として昨年(2024年)実施した香…
  2.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  3.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  4.  4月30日、マカオ立法会と政府との間で2025年施政方針の運輸・工務領域における政策討論が行われ…
  5.  仏ミシュラン社は3月13日、香港・マカオでも高い知名度と信頼性を誇る人気グルメガイド「ミシュラン…

注目記事

  1.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…

イベントカレンダー

5月 2025
    1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
« 4月   6月 »
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2025年5月号
(vol.143)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun