日本版IRのキーパーソンらがマカオに集結…国際カジノ見本市「MGSエンターテイメントショー2019」で脚光浴びる

 マカオ・コタイ地区の大型IR(統合型リゾート)ヴェネチアンマカオコタイエキスポホールで11月12日から14日まで、大型国際ゲーミング(カジノ)見本市「MGSエンターテイメントショー2019」が開催されている。

 MGSエンターテイメントショーは地元マカオのゲーミング機器製造業者の組合にあたる澳門娯楽設備廠商会(MGEMA)の主催で2013年にスタート。今年で7回目の開催で、ブース出展数は過去最多となる190に上るという。

 MGSエンターテイメントショーには、ゲーミングマシンメーカー及び関連機器やシステム、ゲーミングチップやプレイングカード(トランプ)などのカジノ用品、VIPルームなどを運営するカジノ仲介業者といったゲーミング関連業界のほか、IT、ショービジネス、飲食、サービス、什器、メディア、カジノ関連学科やディーラー養成コースを持つ教育機関まで、世界各地から幅広い企業・団体などが出展。また、併設のサミット会場でアジアのゲーミング業界の最新動向をテーマにしたセミナーやパネルディスカッションも行われ、業界の最新トレンドやキーパーソンが一堂に会する情報及び人材ハブ機能も果たしている。

  マカオは世界最大のカジノ売上を誇る都市として知られるが、マカオで大型IRを展開する複数のIR運営事業者らが新たな商機を求めて日本進出意向を示すほか、マカオ政府や地元メディアも含めて日本版IRの動向に関する注目度は非常に高い。

 会期2日目のきょう(13日)、サミット会場において日本版IRをテーマとしたプレゼンテーション及びパネルディスカッションが2時間にわたって開催された。MGSを主催するMGEMA副会長を務める木村寿一氏の尽力により、IR誘致に名乗りをあげる自治体、そして日本を代表する複数の有識者の登壇が実現。旬のトピックとあって、マカオ及び日本を含むアジアのゲーミング業界及びメディア関係者を中心に、日本版IRに関心を持つ多くの聴衆が駆けつけた。

 前半は長崎県と和歌山県のIR推進担当者がそれぞれ登壇し、地域の魅力や強み、進捗状況などに関するプレゼンテーションが行われたほか、北海道(苫小牧)のプロモーションビデオを上映。後半は博報堂IR/MICE推進室の栗田朗氏がモデレーターとなり、EY Japanの渡邉真砂世氏、PwCコンサルティングの寺田匡宏氏、KPMGジャパンの丸田健太郎氏をパネリストに迎え、日本版IR実現に至る現状と今後の見通し、誘致自治体における大都市と地方の比較、シンガポールやマカオの成功事例に学ぶ点、日本ならではのIRの独自性などについて、自治体のアドバイザーや日本政府の委員として活躍するメンバーの貴重な知見を交え、活発な議論が交わされた。これほどの豪華メンバーが一堂に会する機会は日本でも珍しく、MGS主催者側もエクスクルッシブかつ濃い内容と聴衆のポジティブな反応を受け、高い意義を持つイベントになったと評価した。

 その他の日本関連では、エキジビションホールにLT GAME JAPAN、アルゼゲーミング、コナミ、セガサミークリエイションといったゲーミング機器開発メーカーをはじめ、貨幣処理機器の日本金銭機械(JCM)やプレイングカードのエンジェルといった複数の日系サプライヤーが出展している。

「MGSエンターテイメントショー2019」サミット会場で開催された日本版IRのキーパーソンによるパネルディスカッション=2019年11月13日本紙撮影

「MGSエンターテイメントショー2019」サミット会場で開催された日本版IRのキーパーソンによるパネルディスカッション=2019年11月13日本紙撮影

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