マカオLRTタイパ線12月10日開業…年内は運賃無料、日本製車両が走る=現地初の鉄道

 マカオの鉄道事業者、マカオLRT社は12月6日、同社が運営するマカオLRT(新交通システム)タイパ線について、12月10日に開業すると発表。2012年末の本格着工から丸7年で開業にこぎつけた。マカオではこれが初めての本格的な軌道系大量輸送機関となる。

 タイパ線はマカオLRT第1期プロジェクトの一部。今回開業するのはタイパフェリーターミナル駅と海洋駅の間の9.3キロ、11駅。沿線には香港や広東省の深圳市などとの間を結ぶ高速船が発着するタイパフェリーターミナル、マカオ国際空港、広東省珠海市の横琴新区との陸路のボーダーにあたるコタイ・イミグレーションといった複数の玄関口のほか、大型カジノIR(統合型リゾート)が密集するコタイ地区、著名観光地のタイパヴィレッジ、高層マンションが建ち並ぶ新興住宅街が存在する。

 開業初日は午前中にコタイ地区にある車両基地でセレモニーを開催。その後、始発列車がタイパフェリーターミナル駅を午後3時33分に発車する予定。運賃は現時点で未発表だが、年内(2019年12月31日まで)は無料とし、ぜひ実際にサービスを体験してみてほしいとした。

 運転時間は月〜木曜日が午前6時30分から午後11時15分まで、金〜日曜日及びパブリックホリデーが午前6時30分から午後11時59分までで、運転間隔は5〜10分に1本とのこと。

 マカオLRT第1期プロジェクトは、国際入札を経て日本の三菱重工と伊藤忠商事の共同体が駅舎と土木工事を除くLRTシステム一式を46億8800万パタカ(日本円換算:約633億円)で受注しており、マカオの公共工事として日本企業が獲得した最大規模の案件としても注目されている。東京の「ゆりかもめ」と同タイプのクリスタルムーバー型の日本製列車(ゴムタイヤ、自動運転)がマカオの街を走ることになっている。

マカオLRTタイパ線の馬會駅付近における試運転の様子(資料)=2018年3月(写真:GIT)

マカオLRTタイパ線の馬會駅付近における試運転の様子(資料)=2018年3月(写真:GIT)


マカオLRT路線図(図版:Macau Light Rapid Transit Corporation, Limited)

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