マカオ税関が2件の密航事案相次ぎ摘発…男女計8人の身柄拘束

 澳門海關(マカオ税関)は12月28日、冬のホリデー期間中に密航に対する警戒を強化して臨む中、12月26日未明に2件の密航事案を相次ぎ摘発し、海上及び沿岸の陸地で男女計8人の身柄拘束に成功したと発表。

 26日未明、税関の巡視員がタイパ島北部沿岸をパトロールしていた際、海上に不審な小舟を発見し、税関の巡視艇に通報。巡視艇が現場海域に急行し、目標の木製モーターボート1艘を発見。臨検を実施し、船内にいた操縦者の男1人、密入境者の男女各1人の計3人の身柄拘束に成功した。同じ時間、沿岸で密航船を待っていたとみられる不審な男1人、女2人を発見し、身柄を拘束しようとした際、男1人が逃走。治安警察局との反密航共同防御メカニズムを発動し、治安警察局の警察官が追跡した結果、男の身柄拘束に成功し、税関に身柄が引き渡された。

 もう1つの事案は、上述の治安警察局との合同作戦中に発生したもので、税関がドローンを使って赤外線探査を行っていたところ、岸壁に身を潜めている人物を発見。巡視員が現場に急行し、隠れていた男女各1人の密入境者の身柄を拘束するとともに、付近で木製モーターボート1艘を発見、押収した。

密航者らが乗っていた木造モーターボート(写真:澳門海關)

 2つの密航事案で身柄を拘束した8人(男4人、女4人)の年齢は28〜48歳。税関では、船を操縦していた男1人を「ほう助」、別の男1人を「隠匿」、女1人を「非法再入境」で送検し、残る5人(男2人、女3人)の密航者については出入境管理を担当するマカオ治安警察局へ移送済みとした。

 税関によれば、マカオの治安環境を維持するため、今後も元旦、春節(旧正月)にかけて、密航に対する警戒を一層強化して臨むとしている。

 マカオは1999年にポルトガルから中国に返還されたが、以降も独自の出入境管理を行っている。中国本土籍の旅客がマカオを訪れる際、香港マカオ往来通行証と呼ばれる渡航証とビザに相当する渡航許可を取得するのが一般的だが、およそ2〜3ヶ月に1回7日間といったかたちで一定期間内の入境回数や滞在日数などに制限が設けられていることなどから、違法な就労や賭博、観光などを目的とした密航やオーバーステイが後を絶たない。不法行為を手引きする蛇頭も暗躍し、超過滞在者の隠れ家となる違法宿泊施設の存在なども社会問題化している。

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