新型コロナウイルス防疫対策で休業していたマカオのカジノが半月ぶり再開へ…2月20日午前0時から

 中国・湖北省武漢市で集中発生している新型コロナウイルスによる肺炎(通称:武漢原因不明肺炎)。世界各地で感染拡大に対する懸念が高まる中、中国本土からのインバウンド旅客が多いマカオでも、官民の間で各種防疫対策が進んでいる。

 マカオでは、防疫対策の一環として、2月5日午前0時から15日間にわたって(2月19日午後11時59分まで)全41のカジノ施設が一時休業となっている。

 一時休業期限が間近に迫った2月17日、カジノ臨時休業令を解除するとしたマカオ行政長官令が発出された。2月20日午前0時からカジノ施設が再開可能となる。

 李偉農経済財政長官が17日午後の政府新型コロナウイルス感染対策センター定例記者会見で明かした内容によれば、再開準備が間に合わない施設については、30日間の猶予期間を設けるとし、関係当局とカジノ運営企業の間で再開を議題とした検討を行っているという。なお、再開にあたって政府衛生局の定める従業員及びゲストの安全を守るためのガイドライン(ゲーミングテーブル間の距離及び稼働するテーブルの数量の調整等)をクリアする必要があり、一部の運営企業からは、需要が著しく減少していることを理由に、再開時期の先延ばし請求が提出されているという。ただし、猶予期間は30日間で、以降はすべてのカジノ施設のオープンが必須とした。

 マカオのカジノ施設は基本的に年中無休の24時間営業。新型コロナウイルスに対する懸念が高まった今年(2020年)1月上旬以降、段階的に防疫対策を強化しながらも、通常営業を続けてきた。近年、大型台風の襲来時に数日間の閉鎖はあったが、15日間にわたる長期の休業は極めて異例のこと。

 マカオにおいて、カジノは最大の産業だ。カジノ税収が歳入の約8割を占め、およそ8万人がカジノ業界で就業している(マカオの総人口は約67万人)。観光業、小売業などで間接的にカジノ産業と関わる人も多い。

 本稿執筆時点(マカオ時間2月17日午後5時30分)のマカオにおける新型コロナウイルス感染確認者数は累計10人で、内訳は7人が武漢からの旅客、3人がマカオ人。すでに5人が治癒し退院済みで、いずれも武漢からの旅客。今日を含めて13日連続で新規感染者の確認はなかった。

新型コロナウイルス防疫対策のためマカオの全カジノ施設が一時休業に。シャッターを下ろしたカジノ入口=2020年2月5日午前本紙撮影

【資料】
マカオのカジノ施設における主な新型コロナウイルス感染症防疫対策
・1月上旬〜:カジノ施設のゲスト及び従業員入口に体温測定装置を順次設置
・1月22日〜:カジノフロアでの業務に従事するスタッフのマスク着用義務化
・1月27日〜:入境前14日以内に湖北省滞在歴のあるゲストの入場禁止
・2月1日〜:カジノフロア入場ゲストのマスク着用義務化
・2月4日:カジノ施設の一時休業決定発表
・2月5日:カジノ施設の15日間の休業スタート(2月19日まで)
・2月17日:カジノ施設の一時休業解除を発表(2月20日から)

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