マカオ、2019年の一人当たりGDP約872万円…実質経済成長率はマイナス4.7%
- 2020/3/1 10:40
- 産業・経済
マカオ政府統計調査局は2月29日、昨年第4四半期(2019年10〜12月期)及び通期のマカオ特別行政区の域内総生産(GDP)を公表。
昨年第4四半期のGDPは前年の同じ時期から実質で8.1%の縮小となり、第3四半期から縮小幅が拡大。サービス輸出の減少が一層進んだことが主要因。外需の鈍化が続いたことで、サービス輸出は前年同時期から7.5%減。内訳は、ゲーミング(カジノ)サービス輸出が9.8%減、その他ツーリズムサービス輸出が7.0%減。貨物輸出も6.2%減だった。また、内需についても投資が13.9%の大幅減。一方、個人消費、政府最終消費支出はそれぞれ2.7%、1.9%の増だった。
昨年通期で見ると、経済は投資及びサービス輸出の減少によって低迷し、第1四半期からマイナス成長が続き、通期では実質で4.7%の縮小となった。内需も精彩を欠き、対前年4.6%縮小。中でも民間建築投資の大幅減によって、固定資本形成総額は20.1%減。総就業人数と労働所得は増加傾向にあったものの、経済の先行き不透明感から個人消費はより慎重となり、2.9%縮小。政府最終消費支出は0.4ポイント上昇の3.9%増で、このうち職員報酬が2.4%増、貨物及びサービス購買正味価格が5.7%増。外需はインバウンド旅客数が増加するも総消費は減少、カジノ売上の減少幅も第3四半期から拡大したことで、サービス輸出が3.4%減少。内訳は、ゲーミング(カジノ)サービス輸出が4.0%減、その他ツーリズムサービス輸出が5.7%減。貨物輸出も8.3%減だった。
昨年のマカオのGDPは4347億マカオパタカ(日本円換算:約5兆8705万円、米ドル換算:約7万9977米ドル)、一人あたりGDPは64万5438マカオパタカ(約872万円)。この他、GDPデフレーターは2.6%上昇、第4四半期の上昇幅は2.5%。
GDPの構成内訳をみると、昨年の貨物及びサービス純輸出が全体に占める割合は50.1%で、前年から0.5ポイント上昇。内需は3.0ポイント下落の49.9%。このうち投資の占める割合が3.0ポイント減、個人消費、政府最終消費支出はそれぞれ1.6ポイント、0.9ポイント増。
このほか、昨年第3四半期の経済成長率がマイナス4.4%に上方修正された。