マカオの総体失業率 2.1%に上昇…20年第1季、8年ぶり2%台=新型コロナ影響

 マカオ政府統計調査局は4月26日、今年第1四半期(2020年1〜3月期)の雇用統計を公表。総体失業率は過去最良水準の1.9%だった前回調査(昨年12月〜今年2月期)から0.2ポイント上昇の2.1%、マカオ居民(マカオ居民IDカード保有者)に限った失業率は0.3ポイント上昇の2.9%に。不完全雇用率は横ばいの0.8%だった。

 マカオの総体失業率が2.0%を上回るのは2012年4〜6月期以来、およそ8年ぶりのこと。

 今年第1四半期の労働人口は40.58万人、労働参加率は70.5%。このうち、就業人口は前回調査時から6500人増の39.74万人、マカオ居民に限ると3200人減の28.02万人。就業人口増の理由として、2月20日に新型コロナ防疫措置による水際対策によって越境通勤が困難となったことを受け、マカオ以外に居住していた海外労働者がマカオへ転居したことが挙げられる。

 前回調査時との比較における主要業界別の就業人数の動向については、カジノ・カジノ仲介業が0.9%増の8.75万人、卸売・リテール業が7.7%増の4.93万人、建設業が22.3%増の3.65万人、ホテル業が7.1%減の2.96万人、飲食業が7.9%減の2.10万人だった。

 失業人口は前回調査時から1000人増の8500人。失業人口のうち、初めて職探しをする新増労働力の占める割合は2.4ポイント下落の8.1%。

 なお、不完全雇用者数は前回調査時に2012年5〜7月以来となる3000人超に達し、今回は200人増の3200人に。業界別では建設業と運輸・倉庫業の占める割合が大きかった。

 昨年第4四半期(2019年10〜12月期)との比較では、総体失業率とマカオ居民に限った失業率がそれぞれ0.4ポイント、0.6ポイントの上昇。総就業人口は7600人増、マカオ居民に限ると1400人減。業界別では、卸売・リテール業が13.1%減の4.93万人、ホテル・飲食業が9.3%減の5.07万人。

 就業人口全体の月給中位数は昨年第4四半期から5.9%減の1万6000マカオパタカ(日本円換算:約21.6万円)。業界別では、カジノ・カジノ仲介業が2万マカオパタカ(約27.0万円)、建設業が1万4000マカオパタカ(約18.9万円)で、いずれも横ばい。マカオ居民に限った月給中位数も横ばいの2万マカオパタカ(約27.0万円)だった。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴い、マカオでは今年1月下旬から入境制限を含む厳格な防疫対策が講じられ、インバウンド旅客が激減している。2月には15日間にわたるカジノ施設の一時休業もあった。国際観光都市マカオの経済は大きなダメージを受けており、事態の長期化が懸念される。なお、マカオ域内における新型コロナの新規感染確認は4月9日から18日連続ゼロが続いている。

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

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