マカオ初級法院、新型コロナ隔離検疫令を無視したカジノ従業員に禁固3ヶ月の実刑判決

 6月17日、マカオ初級法院(裁判所)で2件の新型コロナ防疫措置違反事案の裁判が結審し、留学先の英国から戻った学生1人に禁固2ヶ月(執行猶予1年)、カジノ従業員1人に禁固3ヶ月(執行猶予なし)とする判決がそれぞれ言い渡された。

 2件の違反事案は今年(2020年)3月に発生。当時、法令に基づき政府指定場所による14日間の医学観察(隔離検疫)が実施されており、被告2人はいずれも海外からマカオへ戻った際、政府衛生局職員立ち会いの下、隔離検疫措置へ同意する書面にサインしていた。

 実刑判決を受けた被告は、フィリピンから香港経由でマカオに戻った際、イミグレーション施設で政府から自宅を隔離検疫場所として指定されたが、禁を破って約1時間後に別のイミグレーションから中国本土へ出境。後日の治安警察局による抜き打ち検査時に自宅におらず、違反が発覚した。

 執行猶予が付いた学生は英国からマカオに戻った後、ホテル客室での隔離検疫となったが、9日目に客室から出てロビーに出かけたほか、客室内で約20分間にわたって友人と面会していたことが判明。執行猶予を与えた理由について、裁判官は被告の性格、生活習慣、違反行為前後のパフォーマンス等を考慮した結果と説明した。

 なお、初級法院では別の6件の防疫措置違反事案の裁判が予定されている。

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

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