マカオ、5月のインバウンド旅客数99.5%減の約1.6万人…新型コロナ防疫対策の入境制限続く中

 マカオ政府統計調査局は6月18日、今年(2020年)5月の訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)統計を公表。

 マカオでは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)防疫対策の一環として1月下旬から入境制限が講じられており、流行が世界へ拡大したことに伴い3月下旬から水際対策が一層強化された。国際観光都市マカオはかつてない逆風に晒されている。

 5月のインバウンド旅客数は前年同月から99.5%減の大幅減となる1万6133人(延べ、以下同)にとどまった。前月(4月)との比較では46.1%増だが、母数が極端に少ないため誤差の範囲といえる。

 国・地域別で最多だったのは中国本土からの旅客で、全体の91.7%を占める1万4793人。前年同月比では99.4%減。香港と台湾からの旅客がそれぞれ1184人、152人のみだった。

 3月下旬からの水際対策強化によって、外国人旅客の入境が原則禁止となっている。中国本土、香港、台湾からの旅客については、直近14日以内の滞在地、渡航歴によって分類され、入境禁止、14日間の政府指定のホテルにおける隔離検疫(費用は自己負担)、新型コロナウイルス陰性証明の提示を求めるなどの対応となっている。ただし、中国本土からマカオへ渡航するための個人・団体ビザの発給は停止中で、香港とマカオを結ぶ高速船及び台湾とマカオを結ぶ航空便も運休が続いている状況。香港〜マカオ間については、港珠澳大橋シャトルバスが5月8日から一部運行を再開したものの、入境制限の変更はない。

 1〜5月累計のインバウンド旅客数は前年同時期から81.1%減の324万6344人。このうち中国本土旅客は81.0%減の231万8522人で、全体に占める割合は71.4%。

 参考までに、昨年通期のインバウンド旅客数は前年から10.1%増の3940万6181人に上り、3年連続で過去最多を更新。中国本土旅客が占める割合は約7割だった。

新型コロナの影響でインバウンド旅客が激減したマカオ。写真は観光名所、世界遺産・聖ポール天主堂跡=2020年5月11日本紙撮影

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