マカオで今年4人目の在郷軍人病感染者確認…患者は慢性疾患持つ65歳マカオ人男性、潜伏期間中に複数回中国本土渡航歴

 マカオ政府衛生局は8月12日夜、マカオで今年(2020年)4人目となる在郷軍人病(退役軍人病、レジオネラ肺炎)感染者を確認したと発表。

 SSMが発出したプレスリリースによれば、患者はリタイヤ生活を送るマカオ人男性(65)で、長期にわたって慢性疾患を抱えているとのこと。8月6日に発熱と咳の症状が現れたため、公立総合病院の仁伯爵綜合醫院を受診。その後も症状が治まらず、11日に同院を再受診し、入院治療することに決定したという。同院における胸部X線検査で肺炎の症状が確認され、尿中レジオネラ抗原検査で陽性反応が出たことから、在郷軍人病に感染していることが診断された。目下、患者の容体は落ち着いており、入院治療を続けているとのこと。

 なお、患者は潜伏期間中に複数回にわたって親族訪問のため中国本土へ渡航しており、現地の観光地やホテルに滞在していたとのこと。同行の友人と同居の家族に類似の症状は見受けられないとのこと。

 在郷軍人病はレジオネラ菌が引き起こす伝染病の一種で、菌を含む水が空調などを通じて飛散することによる空気感染すると考えられている。病名の由来は1976年に米国フィラデルフィアで開催された在郷軍人大会で集団発生したことによる。レジオネラ菌は多様な環境下に存在するが、20〜45℃の温水で成長しやすく、水のタンク、スパプール、噴水、家庭で用いられる医療用吸入器などから見つかることも多いとのこと。症状としては、発熱、空咳、呼吸困難、倦怠感、頭痛、筋肉痛、腹痛、下痢などが挙げられ、抗生物質による治療が可能とのこと。マカオで確認された在郷軍人病感染者数は一昨年(2018年)が5人、昨年は2人だった。

マカオの公立大型総合病院、仁伯爵綜合醫院(資料)—本紙撮影

マカオの公立大型総合病院、仁伯爵綜合醫院(資料)—本紙撮影

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