マカオIR運営大手GEGが2020年第2四半期及び上期の業績発表…新型コロナの影響甚大も中長期的見通しは楽観視

マカオのカジノ運営ライセンスを保有する6陣営の一角、ギャラクシーエンターテイメントグループ(GEG)は8月13日、今年第2四半期(2020年4〜6月期)及び上期の監査前業績を公表。

同社発出のプレスリリースの内容によれば、今年第2四半期の純売上高は前年同期から91%、今年第1四半期から77%のそれぞれ減となる11億5300万香港ドル(日本円換算:約159億円)、調整後EBITDAはマイナス13億7000万香港ドル(約-189億円)。前年同期の調整後EBITDAは39億8300万香港ドル(約550億円)、今年第1四半期は1億9900万香港ドル(約-27億円)だった。

また、上期の純売上高は前年同期から76%減の62億2300万香港ドル(約859億円)、調整後EBITDAはマイナス10億8700万香港ドル(約-150億円)、株主に帰属する純損益はマイナス28億5600万香港ドル(約-394億円)。前年同期の調整後EBITDAは83億1500万香港ドル(約1148億円)、同じく純利益は66億8000万香港ドル(約922億円)だった。

GEGはマカオを本拠地とし、マカオ半島で「スターワールドマカオ」、コタイ地区で「ギャラクシーマカオ」、「ブロードウェイマカオ」の各カジノIR(統合型リゾート)、中小ホテルに併設するフランチャイズ形式のカジノ施設「シティクラブ」を運営している。

将来計画については、コタイ地区の旗艦施設ギャラクシーマカオの第3期、第4期拡張工事を展開中で、ノンゲーミング事業のMICEやエンターテイメント、ファミリー向け施設を中心とし、競争力とゲストにあって魅力あるものだとした。このほか、中国・珠海の横琴新区におけるギャラクシー・マカオを補完するライフスタイルリゾート開発プロジェクトを進行中、日本を含む海外市場における機会も模索中とした。

 新型コロナウイルス感染症防疫対策による厳格な入境制限が敷かれる中、マカオの今年第2四半期のカジノ売上(Gross Gaming Revenue=GGR)は前年同期比95.6%減の32.34億マカオパタカ(約432億円)、上期は77.4%減の337.20億マカオパタカ(約4505億円)と低迷。マカオのカジノIR運営各社の業績にも大きなネガティブインパクトを与えている。

 なお、マカオと中国本土における新型コロナ流行状況が落ち着いたことを受け、中国本土からマカオへの個人訪問スキーム(IVS)と団体旅行が8月12日(広東省珠海市居民対象)、8月26日(広東省居民対象)、9月23日(中国本土全域対象)から段階的に再開されることが明らかとなった。GEGの呂志和会長は今回の業績発表会の中で、「重要かつ前向きな動きではあるが、市場がどれだけ早く回復かについてコメントするのは時期尚早」と慎重な姿勢を示した。一方、「中長期的にはマカオ市場全体とGEGの業績見通しは楽観的」とした。日本進出計画についても言及し、「日本のIR開発のスケジュールは、新型コロナウイルスの世界中での感染拡大の影響を受ける可能性についても理解しているが、それに応じた調整は可能であり、日本市場への参入に引き続き取り組んでいく」とのこと。

GEGの旗艦IR施設「ギャラクシーマカオ」の俯瞰(資料)=マカオ・コタイ地区-本紙撮影

GEGの旗艦IR施設「ギャラクシーマカオ」の俯瞰(資料)=マカオ・コタイ地区-本紙撮影

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