マカオの銀行における国際業務割合が縮小に転じる…20年第2四半期

 マカオ金融管理局は8月17日、今年第2四半期(2020年4〜6月)のマカオ国際性銀行業務統計を公表。

 今年6月末におけるマカオの銀行システム総資産に占める国際資産の割合は今年3月末から0.4ポイント下落の85.5%で、2四半期ぶりに縮小。国際負債の割合は同0.3ポイント下落の82.9%。

 外貨はマカオの国際銀行業務における主要取引単位となっている。今年6月末における国際銀行資産と負債に占めるマカオパタカの割合はいずれも0.7%。香港ドル、米ドル、人民元、その他外貨の国際資産に占める割合は35.0%、47.5%、12.7%、4.1%、国際負債に占める割合は40.0%、45.1%、10.9%、3.3%。

 今年6月末におけるマカオの銀行の国際資産総額は、今年3月末から3.1%、前年の同じ時期から12.7%のそれぞれ増となる1兆8759億マカオパタカ(日本円換算:約25兆0734億円)。このうち、対外資産は前年の同じ時期から11.9%増の1兆4045億マカオパタカ(約18兆7726億円)、マカオにおける外貨資産は15.3%増の4713億マカオパタカ(約6兆2994億円)。国際資産の主要構成要素である外地におけるノンバンクローンは16.7%増の6666億マカオパタカ(約8兆9098億円)。

 今年6月末におけるマカオの銀行の国際負債総額は、今年3月末から3.2%、前年の同じ時期から13.8%のそれぞれ増となる1兆8112億マカオパタカ(約24兆2086億円)。このうち、対外負債は前年の同じ時期から18.5%増となる9614億マカオパタカ(約12兆8552億円)、マカオにおける外貨負債は9.0%増の8497億マカオパタカ(約11兆3616億円)。マカオ居民(マカオ居留権保有者)及びマカオ特別行政区政府による各種外貨預金が国際負債の主要な構成要素となっており、今年6月末における残高は前年の同じ時期から4.7%増の7237億マカオパタカ(約9兆6768億円)。

 マカオの国際銀行業務は主にアジア及びヨーロッパに分布している。今年6月末におけるマカオの銀行システムの対外資産のうち、対中国本土及び香港の債権が占める割合が40.1%、27.8%を占め、ドイツ及び英国は0.9%及び0.8%、ポルトガル語圏諸国及び「一帯一路」周辺国家が1.3%及び7.0%。対外負債全体に占める対香港及び中国本土の割合は48.3%及び24.9%、英国及びフランスが4.5%及び3.7%、ポルトガル語圏諸国及び「一帯一路」周辺国家が0.4%、8.4%。

 マカオ国際性銀行業務統計は国際決済銀行(BIS)が提唱する方法で作成されたもの。

マカオ金融管理局ビル(資料)=2020年7月本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  澳門海關(マカオ税関)は4月26日、世界知的所有権機関(WIPO)が制定した「世界知的財産の日(…
  2.  マカオにとって最大の旅客ソースとなる中国本土では5月1日から5日までが5連休(「五・一」労働節ゴ…
  3.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は4月26日、今年第一四半期(2024年1〜3月期)の雇用…
  4.  マカオの公共路線バスで4月25日午前0時から中国本土版のアリペイ、香港版のアリペイ、マカオ以外の…
  5.  近日、マカオを含む中国華南の珠江デルタ地域では大雨が続いている。  マカオ政府海事・水務局…

ピックアップ記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…

注目記事

  1.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun