コロナ禍でマカオのギャンブル業における人材需要大幅減、平均月給も5.5%減=2020年第2四半期

 マカオは面積約32平方キロ、人口約68万人という小さな地域(中国の特別行政区)だが、およそ40軒のカジノ施設が軒を連ねるほか、競馬、サッカー及びバスケットボールを対象としたスポーツくじ、ロトといった各種合法ギャンブルも存在し、政府とコンセッション(経営権契約)を結ぶ民間事業者によって運営されている。

 マカオ政府統計調査局は8月20日、今年第2四半期(2020年4〜6月期)のギャンブル業(カジノ仲介人、カジノ仲介人パートナーは含まず)における人材ニーズ及び賃金調査統計を公表した。

 今年第2四半期末時点のフルタイムのゲーミング業従事者数は前年の同じ時期から0.7%減の5万7459人。カジノディーラー職に限ると0.5%増の2万5344人だったが、昨年第4四半期との比較では0.5%減。

 今年6月のフルタイムのゲーミング業従事者の平均月給(賞与等臨時給含まず)は前年同月から5.5%減の2万3200マカオパタカ(日本円換算:約30.8万円)。カジノディーラー職に限ると7.6%減の1万9270パタカ(約25.6万円)。

 新型コロナの影響により、今年第2四半期末時点における空きポジションは前年の同じ時期から879枠減の25枠にとどまった。

 求人条件については、要業務経験が68.0%、要中国語(いわゆる北京語)と要英語がいずれも88.0%、高中(日本の高校に相当)卒業以上の学歴を必要とするが76.0%で、従来よりも要求程度が上昇した。

 今年第2四半期の新規雇用者数は93.4%の大幅減となる129人にとどまった。従業員雇用率は3.2ポイント下落の0.2%、離職率は1.7ポイント下落の0.6%、欠員率はゼロに近い水準となり、業界における人材需要の大幅縮小を示している。

 なお、今年第2四半期時点のマカオの人口は68万5400人(期末)、労働人口は41万2000人、総就業人口は40万1900人、総体失業率は2.5%。ギャンブル業従事者がマカオの総人口に占める割合は単純計算で8.4%、総就業人口の13.9%となる。平均月収については、今年第2四半期のマカオの就業人口全体の月給中位数である1万5000マカオパタカ(約19.9万円)を大きく上回っている。

 マカオでは、今年1月下旬以降、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う入境制限を含む防疫対策強化等によってインバウンド旅客数の激減が続いている。2月には防疫対策の一環としてカジノ施設の半月にわたる(2月5〜19日)一時休業もあり、再開後も現在までテーブル数を限定するなどのニューノーマル下での営業を余儀なくされている。

厳格な防疫措置を講じた上で再開したマカオのカジノの様子(写真:DICJ)

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