マカオ、115日連続新型コロナ新規感染確認なし…輸入関連性症例に限ると204日連続、死亡例もゼロ…冬季に向け医療体制の充実図る

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が世界各地へ拡大する中、国際観光都市マカオでも、状況の変化に応じた各種防疫対策が講じられている。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは10月19日午後5時(現地時間、以下同)から週に一度の定例記者会見を開催。マカオ域内における新型コロナウイルス新規感染確認は115日連続ゼロ、輸入関連性症例に限ると実に204日連続ゼロだったとのこと。

 これまでの累計退院者数は46人で、7月17日までに全員が退院済み。3月7〜14日と5月20日〜6月25日に続いて新型コロナ流行下で三度目かつ最長の入院患者ゼロ状態に入っている。

 目下、外地からの新型コロナ流入防止を目的とした厳格な入境制限は維持されているが、マカオ及び広東省における状況が落ち着いてきたことを受け、7月15日から両地の間で水際対策が一部緩和(新型コロナウイルス核酸検査の陰性証明書の提示などの条件付きで14日間の隔離検疫を免除)された。また、中国広東省珠海市居民及び広東省居民を対象にしたビザに相当するマカオ渡航許可(個人・団体観光旅行)の申請がそれぞれ8月12日、26日から再開。さらに、9月23日から中国本土全域に拡大された。外国人の入境禁止緩和については未定とされたまま。

 マカオでは無症状であっても検査で陽性であれば感染確認者と見なされ、指定医療機関に入院して治療を受けることになっている。入院期間は平均3〜4週間、退院後も再発症リスクを考慮して隔離施設(高頂公共衛生臨床センター)の陰圧病室で14日間の経過観察、その後も14日間の自宅待機を必須とする多重の安全措置が講じられている。多重の防疫措置に加え、設備、医療スタッフとも充足。これまで市中感染、院内感染例とも発生しておらず、死亡例もゼロを達成している。

 今年1月下旬以降、入境制限を含む厳格な防疫措置が講じられており、市民生活は不便を余儀なくされ、インバウンド旅客の激減に伴う経済への打撃も大きい。マカオ政府は水際対策と同時に、市民が1日1枚のマスクを確実に入手できるよう1月下旬にマスク有償配給制度の立ち上げ、毎年恒例実施している市民への現金配布の前倒しや電子商品券の配布といった民生、経済支援対策にも乗り出している。

 このほか、政府衛生局は、海外で新型コロナの流行が再燃している地域もある中、冬に向けてマカオでも油断禁物だとし、引き続き厳格な水際措置及び防疫措置を講じ、域外からの流入と域内による感染拡大リスクの軽減に努める考えを示した。また、最高規格の減圧病床数についても、232床から266床に増強済みで、500床規模の臨時医療施設を建設できる予備案も用意していることを明らかにした。香港とシンガポールの間で相互に往来する市民を対象とした隔離検疫を免除する「トラベルバブル」で基本合意がなされたことについて、現時点でマカオはいかなる国・地域ともそのような協議を行っていないとのこと。

マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターによる定例記者会見=2020年10月19日(写真:マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センター)

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