マカオの道路工事現場で見つかった古砲は19世紀中期の英国製か…研究チーム「史料価値高い」

 マカオ政府文化局(ICM)は11月25日、今年(2020年)4月にかつてマカオの主要な海の玄関口だったマカオ半島内港エリアの道路工事(下水管整備事業)現場から見つかった古砲について、専門家に委託した学術研究資料の初稿が完成したと発表。

 マカオ科技大学、中国歴史研究員マカオ歴史研究センターの教員と大学院生らで構成される研究チームの調査によれば、古砲の埋蔵時期は1889年から1933年の間で、マカオで製造されたものではなく、軍事上の移転または貿易を通じて外地からマカオへ運搬された可能性があるとのこと。また、古砲の質感、形状、局所構造等の特徴がマカオ各地の砲台に現存する19世紀中期に英国で製造されたブロームフィールドフロントガンと相似しているとし、売買のため内港一帯に置かれていたものが、後の周辺の埋立造成時に埋められたとみられるとした。

 研究チームは今回発見された古砲について、マカオにおける大砲鋳造、武器貿易、沿岸防衛、埋立史等の研究の助けになるものとし、史料価値は比較的高いとの見方を示した。

 ICMでは、この古砲は歴史・文化的価値があるもので、条件が整い次第、一般公開を行う予定としている。

 マカオでは11月22日にもコタイ地区の統合型リゾート「ギャラクシーマカオ」第4フェーズの建設現場で古砲が見つかっており、学術調査が進めるため、ICMが博物館倉庫へ搬入したばかり。

マカオ半島内港エリアの道路工事現場から見つかった古砲(資料)=2020年4月(写真:ICM)

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