香港、1/13単日の新型コロナ新規感染確認数42人…九龍ジョーダン地区の雑居ビルで20人超のクラスターも

 人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いている。

 香港政府は1月13日夕方の記者会見で、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数が42人だったと発表。前日に続いて輸入性はゼロ、すべて市中感染例だった。新規感染確認数は25日連続で2桁にとどまったが、感染経路不明は前日から2人増の11人に上った。このほか、陽性予備群(初歩感染確認者)は20人以上とのこと。

 依然として市内各所で集団感染(クラスター)や集合住宅(マンション、宿舎)における感染連鎖も続いている状況で、第4波終息の兆しは見えてこない。市中で無症状の感染者による伝播を断ち切れていない可能性が指摘されている。この日も2つのトンネル工事現場や香港島と離島を結ぶフェリーの船員といった既知のクラスター事案関連で追加の感染確認があった。感染者が出たことを受けて強制検査の対象となった九龍・ジョーダン地区リクラメーション・ストリート20〜26番の偶数番地にある雑居ビルでは感染確認者が20人を超える規模となっており、衛生当局は現時点で住民を避難させる決定には至っていないが、オーナーに対して配管のメンテナンスを求め、住民に対して衛生面に注意するよう呼びかけているとした。

 ここまでの香港における累計感染確認数は9386人、退院者数は8584人、死者数は161人。

 香港政府は早期に市中感染ゼロを達成することを目標として掲げ、状況に応じた施策を打ち出している。12月下旬に英国や南アフリカで感染力が強いとされる変異種のウイルスが出現したこと、クラスター及び感染経路不明事案が続いていることなどを受け、既存の防疫措置の期間延長、感染者が確認されたマンション・雑居ビル等を対象とする強制検査、水際対策の厳格化、密接接触者追跡センターの稼働などが進んでいる。

 なお、香港の隣にある人口約68万人のマカオでは、1月13日まで201日連続(輸入関連性症例に限ると290日連続)で新規感染確認がゼロとなっている。すでに中国本土との往来制限の緩和が進み、中国本土からのインバウンド旅客が戻りつつある中でもゼロを維持できていることから、水際措置が機能しているといえる。

香港当局による外国人ホームヘルパーへのマスク着用及びソーシャルディスタンス確保の法令遵守を呼びかける巡回の様子(資料)=2021年1月10日(写真:news.gov.hk)

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ治安警察局は12月4日、マカオ半島北西部の沙梨頭エリアにある路上で女子学生(成年)に対する…
  2.  数学(算数)及び科学(理科)の到達度に関する国際的な調査のひとつに国際教育到達度評価学会(IEA…
  3.  マカオ・コタイ地区にある統合型リゾート(IR)「グランドリスボアパレス(上葡京)」で12月4日、…
  4.  マカオ政府衛生局(SSM)は12月4日夜、同日マカオ域内で輸入性デング熱感染を新たに1例確認した…
  5.  マカオ政府交通事務局(DSAT)は12月4日、マカオ市民の業務や旅行での中国本土訪問、また中国本…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」の新線「横琴線(…
  2.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  3.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…

注目記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  3.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun