香港、1/15単日の新型コロナ新規感染確認数38人…新規感染確認者が集中する九龍半島の一部で数千人規模対象の強制検査実施へ

 人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いている。

 香港政府は1月15日夕方の記者会見で、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数が38人だったと発表。内訳は市中感染が35人、輸入性が3人。新規感染確認数は27日連続で2桁にとどまったが、感染経路不明は前日から1人増の14人に。このほか、陽性予備群(初歩感染確認者)は40人以上とのこと。

 依然として市内各所で集団感染(クラスター)や集合住宅(マンション、宿舎)における感染連鎖も続いている状況。トンネル工事現場など既知のクラスター事案関連で追加の感染確認があった。

 香港衛生当局は同日、近日新規感染者が集中して確認されている九龍半島の油麻地(ヤウマテイ)と佐敦(ジョーダン)エリア一帯における強制検査基準の引き締めを行うと発表。直近14日以内に1人でも感染確認者が出現したビルについて、全住民を強制検査の対象とし、対象者は1月16日から3日以内に検査を受ける必要があるとした。エリア内に複数の臨時検査所が設けられるとのこと。対象者は数千人規模にも上る見通し。

 ここまでの香港における累計感染確認数は9453人、退院者数は8684人、死者数は161人。

 香港政府は早期に市中感染ゼロを達成することを目標として掲げ、状況に応じた施策を打ち出している。12月下旬に英国や南アフリカで感染力が強いとされる変異種のウイルスが出現したこと、クラスター及び感染経路不明事案が続いていることなどを受け、既存の防疫措置の期間延長、感染者が確認されたマンション・雑居ビル等を対象とする強制検査、水際対策の厳格化、密接接触者追跡センターの稼働などが進んでいる。密を避けるため春節(旧正月)シーズンに各所で開催される恒例の花市などのイベントの中止がすでに決定しているほか、春節ホリデーにかけて不要不急の会合を控えるよう呼びかけも行われている。

 一方、香港の隣にある人口約68万人のマカオでは、1月15日まで203日連続(輸入関連性症例に限ると292日連続)で新規感染確認がゼロとなっている。すでに中国本土との往来制限の緩和が進み、中国本土からのインバウンド旅客が戻りつつある中でもゼロを維持できていることから、水際措置が機能しているといえる。状況が落ち着いているマカオだが、政府が春節シーズン恒例の歳末マーケットや花火大会の中止が発表済みで、市民に対して不要不急の外遊を避ける、マカオで就労する中国本土出身のワーカーに対しては帰省を見合わせるようそれぞれ呼びかけている。

香港特別行政区のイメージ(資料)—本紙撮影

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