マカオ、1万人超が新型コロナワクチン接種…接種対象を一般に拡大済み、欧州製ワクチンもまもなく上陸

 マカオでは、2月9日から高リスク群を対象とした新型コロナワクチンの接種がスタート。その後、22日から接種対象が全マカオ居民(マカオ居民IDカード保有者)に拡大されている。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターの発表によれば、25日午後9時までに接種予約を済ませた人は2万7403人おり、このうちすでに接種を受けた人は1万0691人とのこと。

 これまでのところ、重大な副反応などは出現していないという。軽微なものとして、皮膚の発疹、かゆみ、めまい、吐き気、倦怠感、息切れ、不眠、頭痛を訴えた人が6人(年齢は51〜83歳)いたが、休憩あるいは治療後に緩解したとのこと。マカオでは、ワクチン接種後に30分間の待機が求められている。

 マカオの人口は約68万人、面積は東京の山手線の内側の半分程度にあたる約30平方キロメートル。マカオ域内には13ヶ所の接種ステーション(公立の総合病院とクリニック内)に設けられ、1日あたりの接種予約受付枠は最大5000人分となっている。

 現在、マカオで使われているワクチンは2月6日に到着した中国医薬集団(シノファーム)製の不活化ワクチン。マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターによれば、まもなく中国の復星医薬が代理となるドイツ・ビオンテック製のmRNAワクチンがドイツから香港経由でマカオへ到着予定とし、翌週から接種を開始できる見込みとした。

 ビオンテック製のmRNAワクチンの準備が整い次第、接種希望者は2つのワクチンの中から自由に選択することができる。ただし、中国医薬集団製の不活化ワクチンの接種対象年齢は18〜59歳で、60歳以上が接種を受ける場合はリスク暴露レベルが高く、かつ健康状態が良好という条件が付くが、ビオンテック製のmRNAワクチンは16歳以上となっており、60歳以上にも適合することから、今後60歳以上については基本的に中国医薬集団製の不活化ワクチンの接種予約を受け付けない方針とした。

 このほか、今年第3四半期をめどに英国アストラゼネカ製のアデノウイルスベクターワクチン(生産地:米国)も到着予定となっている。マカオ政府が確保した3種のワクチンの合計は140万本。いずれも2回の接種(約1ヶ月間隔)が必要なものだが、人口の2倍に相当するため、充足しているといえる。

 なお、ワクチン接種は希望者のみを対象としている。費用はマカオ居民、マカオで就労する海外労働者、マカオの学校に通う学生は無償、その他は1回あたり250マカオパタカ(日本円換算:約3300円)となる。政府はポルトガル系のフィデリダーデ・マカオ社と不良副反応・副作用に関する保険契約も締結済みで、保障期間は接種後90日間、補償額は1人あたり最大100万マカオパタカ(約1330万円)とのこと。

 ここまでのマカオにおける新型コロナの感染確認数は累計48人。内訳は域外からの輸入性が46人、輸入関連性事案が2人。市中感染例は2月25日まで333日連続ゼロを維持しており、封じ込めに成功している状況。院内感染、死亡例についてもゼロ。

新型コロナウイルスワクチン接種を受けるマカオ居民=2021年2月22日(写真:マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センター)

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