マカオ警察、GWに向けてカジノ内外で暗躍する非合法両替商への対応を強化

 マカオ司法警察局は中国本土から多くの旅客がマカオを訪れると予想される労働節ゴールデンウィークを前にした4月30日、市内のカジノ施設内外で暗躍する「換銭党」と呼ばれる非合法両替商への対応を強化して臨むと発表。

 マカオでは、新型コロナウイルス感染症防疫対策として昨年(2020年)1月下旬から水際措置が講じられ、世界的流行の拡大に伴い厳格化が進み、インバウンド旅客が激減。一方で、マカオと中国本土では早い段階で流行が落ち着いたことから、昨年7月中旬から両地の間で往来制限の緩和が進んだ。目下、新型コロナウイルス核酸検査の陰性証明を提示するなど一定の条件をクリアすれば、隔離検疫免除で往来が可能な状況。マカオを訪れる中国本土旅客が戻りつつあるが、換銭党も活動を再開し、近日では偽造紙幣や「練功券」と呼ばれる銀行員のトレーニング用の紙幣を用いた詐欺事件もしばしば発生するなど、治安リスクが生じている。マカオ保安当局は換銭党を社会及びカジノにおける治安悪化の元凶と位置づけている。

 マカオのカジノでは、チップとの交換に香港ドルを用いるのが一般的となっており、人民元と香港ドルの両替需要が存在する。

マカオ司法警察局による非合法両替商「換銭党」に対する一斉取り締まりの様子=2021年4月30日(写真:マカオ司法警察局)

 マカオ司法警察局では、労働節ゴールデンウィーク期間中にかけて、カジノ施設内外における換銭党対策の巡回強化とともに、カジノ施設とカジノを併設するホテルにおいて旅客向けの啓蒙活動を行うことで、詐欺被害を未然に防ぎ、安心してマカオ旅行を楽しめる環境作りを進めるとしている。

 また、同局は4月30日には捜査員24人を動員してコタイ地区の大型IR(統合型リゾート)周辺及び付設のカジノ施設において一斉取り締まりを実施。非合法両替に従事していたとして中国本土出身の男女30人の身柄を拘束。入管当局へ引き渡したとのこと。

マカオ司法警察局による旅客向けの非合法両替による詐欺被害防止を目的とした啓蒙活動の様子=2021年4月30日(写真:マカオ司法警察局)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  澳門海關(マカオ税関)は4月28日、各イミグレーション施設で検査体制の強化を図り、違法な運搬活動…
  2.  マカオ政府統計・センサス局が4月26日に公表した資料によれば、今年(2024年)3月の総合消費者…
  3.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  4.  マカオ司法警察局は4月26日、前月(3月)コタイ地区の統合型リゾート(IR)併設カジノ場内にある…
  5.  澳門海關(マカオ税関)は4月26日、世界知的所有権機関(WIPO)が制定した「世界知的財産の日(…

ピックアップ記事

  1.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  3.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun