マカオ、2021年5月の対外商品貿易統計公表…中国本土からのインバウンド旅客回復で輸入の顕著な改善傾向続く

 マカオでは世界規模の新型コロナウイルス感染症流行の影響により昨年(2020年)2月頃から経済活動の縮小が続いている。

 ただし、マカオと中国本土における流行状況が落ち着いたことを受け、昨年7月中旬から段階的に両地の往来制限が緩和されている。同年9月下旬までに中国本土からマカオへの渡航許可(ビザに相当)の申請、発給が再開されたことでインバウンド旅客が回復する中、特に輸入については顕著な改善傾向が続いている状況。

 マカオ政府統計調査局は6月29日、今年(2021年)5月の商品貿易統計を公表。

 今年5月の商品輸入総額は前年同月から2.7倍増となる156.9億マカオパタカ(日本円換算:約2167億円)だった。品目別では、携帯電話、ゴールド製ネックレス、腕時計、コスメ・スキンケア商品がそれぞれ前年同月から26.2倍、23.6倍、11.5倍、8.5倍増。一方で、マスク等が含まれるその他紡績材料製品は56.1%減。貨物輸出総額は前年同月から59.6%増の9.9億マカオパタカ(約137億円)。このうち、マカオ製の商品の輸出は40.8%増の1.7億マカオパタカ(約23億円)で、品目別では衣類、銅・銅製品がそれぞれ101.8%、52.8%増。再輸出は64.2%増の8.2億マカオパタカ(約113億円)で、品目別ではダイヤモンド・ダイヤモンド製ネックレス、酒、腕時計がそれぞれ8.4倍、6.6倍、2.5倍増。5月の商品貿易赤字は147.0億マカオパタカ(約2030億円)。

 今年1〜5月累計の輸出総額は前年同時期から29.9%増の55.1億マカオパタカ(約761億円)、再輸出は29.6%増の47.6億マカオパタカ(約657億円)、マカオ製の商品の輸出についても31.5%増の7.5億マカオパタカ(約104億円)。輸入総額は1.4倍増の590.3億マカオパタカ(約8153億円)。商品貿易赤字は200.8億マカオパタカ(約2773億円)増の334.4億マカオパタカ(約4619億円)。

 今年1〜5月の主要輸出先内訳は、香港が37.7%増の39.4億マカオパタカ(約544億円)、中国本土が17.3%増の7.6億マカオパタカ(約105億円)、米国が57.1%増の2.7億マカオパタカ(約37億円)、EUが3.6%減の7436万マカオパタカ(約10.3億円)。品目別では、非紡績商品が38.3%増の49.6億マカオパタカ(約685億円)、紡績品・衣類は16.1%減の5.5億マカオパタカ(約76億円)。

 輸入品の原産地別では、中国本土が1.2倍増の198.3億マカオパタカ(約2739億円)、EUが1.8倍増の184.8億マカオパタカ(約2552億円)。輸入元別では、香港が1.7倍増の502.4億マカオパタカ(約6939億円)、中国本土が41.1%増の65.5億マカオパタカ(約905億円)。品目別では、消費財が1.6倍増の418.8億マカオパタカ(約5785億円)。このうち、コスメ・スキンケア商品が3.7倍増の83.6億マカオパタカ(約1155億円)、ゴールド製ネックレスが3.7倍増の43.8億マカオパタカ(約605億円)、腕時計が3.2倍増の52.1億マカオパタカ(約720億円)、ハンドバッグ・財布が2.7倍増の44.7億マカオパタカ(約617億円)。また、携帯電話が7.1倍増の77.3億マカオパタカ(約1068億円)、燃料・潤滑油が6.3%増の22.3億マカオパタカ(約308億円)、建築資材についても95.8%増の13.0億マカオパタカ(約180億円)だった。

 今年1〜5月の対外商品貿易総額は前年同時期から1.3倍増の645.4億マカオパタカ(約8914億円)。

マカオ歴史市街地区にあるモンテの砦から望む町並み(資料)=2020年4月本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ政府交通事務局は5月17日、同月16日未明にタクシー助手席でのシートベルト着用をめぐるトラ…
  2.  マカオの統合型リゾート(IR)運営企業SJMリゾーツ社がマカオ特別行政区の成立25周年を記念して…
  3.  マカオ司法警察局は5月17日、同月16日にコタイ地区のカジノ施設にあるVIPルームを対象に実施し…
  4.  マカオ半島新口岸地区にあるカジノIR(統合型リゾート)サンズマカオ(澳門金沙)がきょう(5月18…
  5.  マカオ司法警察局は5月16日、マカオで商業ビルのレンタル会議室を宝飾品店に偽装し、マカオ人の男性…

ピックアップ記事

  1.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  4.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun