香港、新型コロナ市中感染確認ゼロ記録が復活…変異株感染確認された検疫用ホテル清掃員の感染源特定、輸入関連性に変更で=7/5

 人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、5月にかけてようやく状況が落ち着き、政府が5月29日に終息との見方を示した。

 6月以降は、上旬に1家族の女性3人の市中感染例、24日と27日にかけて空港での業務に従事する男性1人とその密接接触者の1人の輸入関連性感染確認例(当初市中感染例とされたが輸入例との関連性確認後に変更)があり、7月2日には検疫用ホテルの清掃作業員の女性1人が変異株に感染したことが判明し、暫定的に市中感染例(感染経路不明)とされ、一旦25日ぶりに市中感染確認ゼロが途切れた。

 香港政府の発表によれば、7月5日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は1人で、輸入性(海外からの入境者)の事案だったとのこと。

 輸入性の患者は6月30日に英国から入境した18歳の男性で、検疫期間中に受検した検査で発見に至ったもの。無症状で、ウイルス量が少ないため変異株感染の有無を調べる検査は実施できていないという。

 このほか、7月2日に変異株感染確認された清掃作業員の女性について、ウイルスゲノム解析の結果、先にこのホテルの客室で隔離検疫中に変異株感染確認されたインドネシアからの入境者との関連性があったことが判明したとのこと。この清掃作業員は業者による消毒後、インドネシアからの入境者が滞在していた客室に入室。この客室のバスルーム内にある洗面器の上から採取した環境サンプルから陽性反応も検出されていた。香港衛生当局では、これらを踏まえ、清掃作業員の女性の事案について、市中感染(感染経路不明)から輸入関連性に修正すると発表。これによって、再び香港における市中感染確認ゼロ記録が復活した。香港における市中感染ゼロは28日連続ということになる。

 香港における過去14日間(6月21日〜7月4日)累計の新規感染確認は56人で、内訳は輸入性が53人、輸入関連性が3人。ここまでの累計感染確認数は1万1944人(擬似事案1人含む)。

 香港の7月4日午後8時時点のワクチン接種率は34.8%(1回目の接種完了)、23.4%(2回目の接種完了)となっている。累計接種回数は396万1695回、1日あたり接種回数は5万2905回(7日移動平均値5万7182回)。

 6月21日に香港における市中感染確認ゼロ14日間を達成したことを受け、すでに450日以上にわたって市中感染ゼロが続くマカオとの往来制限緩和に関する協議が両政府間で正式にスタートした。現時点で具体的なスケジュール及び詳細条件は未発表ではあるものの、香港の感染経路不明の市中感染ゼロが14日にわたって維持できれば条件付きで隔離検疫なしでの両地の往来が実現するとされている。直近の市中感染例(感染経路不明)が輸入関連性へと変更されたことで、今後両政府からの情報アップデートが待たれる。

香港特別行政区のイメージ(資料)—本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ治安警察局は5月6日、同月2日に他人名義の中国パスポートを使ってマカオ入境を企図した20代…
  2.  独特の食文化を有するマカオは2017年に「ユネスコ食文化創造都市」に認定された。以降、マカオ政府…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)と治安警察局は5月6日、マカオにとって第一、第二の旅客ソースにあたる…
  4.  香港特別行政区政府の報道官は5月6日、中国本土で大型連休となる五・一(労働節)ゴールデンウィーク…
  5.  マカオ政府金融管理局は5月6日、今年(2024年)3月の貨幣・金融統計を公表。内容のサマリーは下…

ピックアップ記事

  1.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  2.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun