香港、新型コロナ新規感染確認は輸入性1人のみ…UAEからの入境者でL452R変異株感染=7/16

 人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、5月にかけてようやく状況が落ち着き、政府が5月29日に終息との見方を示した。

 6月以降は、上旬に1家族の女性3人の市中感染例、24日と27日にかけて空港での業務に従事する男性1人とその密接接触者の1人、7月2日には検疫用ホテルの清掃作業員の女性1人の輸入関連性感染確認例(いずれも当初市中感染例とされたが輸入例との関連性確認後に変更)、11日には空港での業務に従事する男性1人がL452R変異株感染確認され、暫定的に市中感染例(感染経路不明)とされる事案があった。

 香港政府の発表によれば、7月16日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は1人だったとのこと。患者はアラブ首長国連邦(UAE)から空路香港へ入境した女性(40)で、L452R変異株ウイルス感染という。市中感染確認は5日連続ゼロ。

 7月16日夕方時点で、翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)は5人以下という。

 このほか、衛生当局が再陽性とみられる事案の調査を進めていることも発表された。患者は船員の男性(32)で、7月13日にインドから空路香港に到着し、空港内の臨時サンプル採集センターにおけるウイルス結果は陰性で、症状もなかったとのこと。香港入境後は香港の港に停泊中の貨物船内に滞在していたが、14日に採集したサンプルを検査したところ、陽性で、L452R変異株ウイルスが検出されたという。初期調査資料によれば、患者は今年5月にインドで新型コロナ感染確認歴があり、ワクチンは接種しておらず、15日に入院した後に受検した抗体検査結果は陽性だった。疫学資料、臨床データ、検査結果などから再陽性にあたるとした。患者が滞在していた船の乗組員は27人おり、全員が船上で21日間の隔離検疫、この船に出入りしていた人を対象に強制ウイルス検査がそれぞれ実施される。

 香港における7月16日午前0時までの累計感染確認数は1万1957人(擬似事案1人含む)。

 香港の7月15日午後8時時点のワクチン接種率は40.1%(1回目の接種完了)、28.0%(2回目の接種完了)となっている。累計接種回数は463万8908回、1日あたり接種回数は6万3222回(7日移動平均値6万1643回)。香港政府公務員事務局の聶徳権(パトリック・ニップ)局長は16日、公務員の過半数が1回目の接種を済ませたことを明らかにした。

 6月21日に香港における市中感染確認ゼロ14日間を達成したことを受け、すでに450日以上にわたって市中感染ゼロが続くマカオとの往来制限緩和に関する協議が両政府間で正式にスタートした。現時点で具体的なスケジュール及び詳細条件は未発表ではあるものの、香港の感染経路不明の市中感染ゼロが14日にわたって維持できれば条件付きで隔離検疫なしでの両地の往来が実現するとされている。ただし、11日に感染経路不明の変異株感染例が出現したことを受け、状況は流動的となっている。

香港のイメージ=香港島・中環にて本紙撮影

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