中国、南京空港で発生のクラスターに絡む感染者が累計100人超に…広東含む全国5省へ波及…新型コロナ=7/26

 中国の南方にあり、香港やマカオと接する広東省、中でも広州市と仏山市を中心に5月下旬から新型コロナウイルス感染症の再流行が出現。厳格な防疫措置が奏功し、6月末までに一旦終息した。

 中国本土では、このところ雲南省において市中感染及び輸入性感染確認例が相次ぐほか、近日では江蘇省南京市にある南京禄口国際空港でクラスターが発生している。

 広東省衛生健康委員会が7月27日朝に発表した内容によれば、26日全日の省内における新型コロナの市中感染例は無症状も含めてゼロだったとのこと。同省では23日から25日にかけて南京空港に滞在歴のある男女各1人の市中感染例が報告されており(1人目は23日に中山市で無症状感染とされた女性が24日に感染確認に転じたケース、2人目は25日に珠海市で無症状感染とされた男性)、市中感染例がゼロとなるのは4日ぶりのこと。

 この日の省内における輸入例は感染確認が2市(広州、仏山)で13人、無症状感染が3市(広州、中山、肇慶)で4人。

 広東省の7月26日24時時点までの累計感染確認報告例は2866人(輸入例1299人)で、70人が医師による治療を受けている状況という。

 広東省内では、リバウンドや輸入例に対する警戒は続くものの、各地の状況に応じて各種防疫措置の調整(緩和)、それに伴う正常化が進んでいたが、中山市及び珠海市内で南京空港クラスター関連の感染者が出現したことを受け、両市では防疫措置の引き締めが図られるなど、警戒が高まっている。

 雲南省では、26日の市中感染確認例は無症状も含めてゼロだった。2日連続で市中感染例ゼロとなった。輸入性は感染確認が19人、無症状が3人。

 江蘇省の26日の市中感染確認は31人で、いずれも南京空港のクラスター関連。同クラスターに絡む感染者の累計は100人超となった。さらに、上述の広東省のケースも含め、同空港を経由して中国各地へ向かった人への伝播も複数確認され、これまでのところ全国5省に波及している。26日には遼寧省で南京空港滞在歴のある女性3人の無症状感染があった。

 7月26日24時時点の中国全土の感染確認者数は795人で、うち20人が重症。無症状の患者431人が医学観察下にあるという。

 マカオと広東省の間は人の往来も多いことから、マカオ政府は矢継ぎ早に水際措置の強化と域内における防疫措置の調整などの対策を講じてきたが、状況の緩和に伴い措置の見直しが続き、7月10日をもって再流行前と同水準(直近7日以内の新型コロナPCR検査陰性証明提示など一定の条件を満たせば隔離検疫免除で往来可能)にまで戻った。今回、南京空港クラスター関連の感染者が出現した中山市と珠海市は広東省の中で最もマカオに近い位置にあり、マカオ衛生当局が水際措置の調整を行うなど対応を進めている。マカオ衛生当局は27日、マカオ域内に滞在する7月14日以降に南京空港滞在歴のある人について、隔離検疫の対象とすることを発表。当局が航空券のデータ等を元に把握している対象者数は約150人という。

 深セン市と陸で接する香港では、5月下旬に流行第4波が終息。以降、49日にわたって市中における伝播の出現はなく、輸入関連性事案が4人確認されたのみ。香港と中国本土の間の往来制限は維持されているため、マカオのような中国本土における状況の変化に応じた水際措置の調整は行われていない。

中国広東省広州市内にある高層ビル(資料)—本紙撮影

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