中国、新規市中感染確認21人…江蘇・湖南・北京に分布、南京と張家界のクラスター関連が主=7/29

 中国の南方にあり、香港やマカオと接する広東省、中でも広州市と仏山市を中心に5月下旬から新型コロナウイルス感染症の再流行が出現。厳格な防疫措置が奏功し、6月末までに一旦終息した。

 中国本土では、このところ雲南省において市中感染及び輸入性感染確認例が相次ぐほか、近日では江蘇省南京市にある南京禄口国際空港でクラスターが発生し、拡大が続く状況。また、新たに湖南省の張家界市訪問歴がある人の感染確認が各地で相次いでおり、複数が市内にある劇場で同じショーを鑑賞していたことが判明。各地で防疫措置の引き締めが進んでいる。

 広東省衛生健康委員会が7月30日朝に発表した内容によれば、29日全日の省内における新型コロナの市中感染例は無症状も含めてゼロだったとのこと。同省では23日から25日にかけて南京空港に滞在歴のある男女各1人の市中感染例が報告(1人目は23日に中山市で無症状感染とされた女性が24日に感染確認に転じたケース、2人目は25日に珠海市で無症状感染とされた男性)されているが、26日以降は4日連続で市中感染ゼロ(無症状含む)を維持。

 この日の省内における輸入例は感染確認が広州で9人、無症状感染が2市(広州、仏山)で6人。

 広東省の29日24時時点までの累計感染確認報告例は2881人(輸入例1314人)で、72人が医師による治療を受けている状況という。

 広東省内では、リバウンドや輸入例に対する警戒は続くものの、各地の状況に応じて各種防疫措置の調整(緩和)、それに伴う正常化が進んでいたが、中山市及び珠海市内で南京空港クラスター関連の感染者が出現したことを受け、両市では防疫措置の引き締めが図られているほか、全省で張家界で発生したとみられるクラスターに対する警戒も高まっている。

 29日の中国本土における新規市中感染確認は21人で、内訳は江蘇省が18人、湖南省が2人、北京市が1人。無症状は江蘇省と湖南省で各4人の計8人。

 29日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数(輸入性含む)は932人で、うち25人が重症。無症状の患者419人が医学観察下にあるという。

 マカオと広東省の間は人の往来も多いことから、マカオ政府は矢継ぎ早に水際措置の強化と域内における防疫措置の調整などの対策を講じてきたが、状況の緩和に伴い措置の見直しが続き、7月10日をもって再流行前と同水準(直近7日以内の新型コロナPCR検査陰性証明提示など一定の条件を満たせば隔離検疫免除で往来可能)にまで戻った。ただし、南京と張家界に端を発したクラスターの影響が各地に波及している状況を受け、マカオ入境時に14日間の隔離検疫が必要とする中高リスク地域指定が進むなど、再び水際措置の引き締めが進んでいる。

 深セン市と陸で接する香港では、5月下旬に流行第4波が終息。以降、52日にわたって市中における伝播の出現はなく、輸入関連性事案が4人確認されたのみ。香港と中国本土の間の往来制限は維持されているため、マカオのような中国本土における状況の変化に応じた水際措置の調整は行われていない。

中国広東省広州市内にある高層ビル(資料)—本紙撮影

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