中国、新型コロナ市中感染確認は5人…うち1人は上海市の看護師、既存症例と無関係=8/18

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功したが、以降も局地的な再流行が相次ぎ出現している。

 直近では、雲南省のミャンマー国境付近での市中感染確認が続くほか、7月下旬には江蘇省南京市の南京空港で感染力の強いデルタ株のクラスターが発生して各地へ波及するなどの事案があり、全国的な再流行が持続する中、各地で厳格な防疫措置が講じられている状況。

 中国の国家衛生健康委員会が8月19日朝に公表した内容によれば、18日の中国本土における新規市中感染確認は5人で、内訳は江蘇省が3人(すべて揚州市)、上海市と雲南省が各1人。無症状感染は3日連続でゼロを維持した。

 18日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数(輸入性含む)は1866人で、うち61人が重症。無症状の患者508人が医学観察下にあるという。

 7月下旬から始まった中国本土におけるリバウンドは南京空港で発生したクラスターから波及したものだが、そのきっかけは海外から到着した航空機とされている。これまで10を超える省市とマカオに波及したものの、すでに伝播を断ち切ることに成功したところもあり、近日は主に江蘇省、河南省、湖北省、湖南省の4省で新規感染例の出現が続く状況。江蘇省の新規感染確認例は、初期には南京市に集中していたが、近日では揚州市にシフト。河南省では鄭州市にある境外からの感染者を収容する医療機関で発生したデルタ株の院内感染が発端で、市中に拡散した。また、湖北省の武漢市では建設現場でのクラスターが発生しており、作業員の1人が江蘇省の淮安を訪問した団体旅行客と鉄道駅で交差していたことがわかっている。

 この日新たに上海市で感染確認された患者は松江区中心医院に勤務する女性看護師(25)で、新型コロナワクチンを2回接種済みだったとのこと。上海市衛生健康委員会が18日午後の記者会見において、これまでに把握している情報として、患者は直近14日以内に上海を離れておらず、中国の他のエリアで確認された症例との関連はなく、ウイルスゲノム解析を進めているとした。その後、患者の住居のトイレの蛇口から採取した環境サンプルから弱陽性反応が検出されたという。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして対処を進めており、新規感染確認数は16日まで7日連続で減少、17日は前日と同数となっており、ほぼ沈静化したとみられる。中国では今年5月下旬に広東省でも再流行が発生したが、約1ヶ月で封じ込めに成功した実績がある。

中国・上海(資料)—本紙撮影

中国・上海(資料)—本紙撮影

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