マカオ、2021年2Qの小売業販売額は対前年ほぼ倍増…コロナ禍長期化も中国本土との往来制限緩和以降は回復傾向維持

 マカオ政府統計調査局は8月24日、今年第2四半期(2021年4〜6月期)の小売業販売額調査結果を公表。

 マカオでは昨年1月下旬から新型コロナウイルス感染症防疫対策の一環として厳格な入境制限が講じられた結果、インバウンド旅客数が激減。インバウンド依存度が高い国際観光都市とあって、経済は大打撃を受けている。ただし、マカオと中国本土における状況が落ち着いたことを受け、同年7月中旬から両地の間の往来制限が段階的に緩和されたことを受け、中国本土からのインバウンド旅客が徐々に戻り始めており、小売市場についても昨年第3四半期から回復傾向が続いている。

 今年第2四半期の小売業販売総額は前年同期からほぼ倍増となる207.0億マカオパタカ(日本円換算:約2832億円)、価格要素を除いた販売量指数についても219.0%の上昇に。

 前年同時期の小売業販売額の比較では、時計・ジュエリーが957.9%、革製品が504.0%、通信設備が460.4%のそれぞれ大幅増だった一方、スーパーマーケットは11.3%減だった。販売量指数についても同様で、時計・ジュエリーが1015.8%、革製品が521.6%、通信設備が498.7%のそれぞれ上昇だったが、スーパーマーケットは10.9%の下落だった。今年上半期の小売業販売額は前年同時期から118.4%増の394.6億マカオパタカ(約5399億円)、販売量数も130.4%上昇。

 今年第1四半期(修正後数値)との比較における今年第2四半期の小売販売額は10.3%増。このうち、百貨が26.8%、時計・ジュエリーが24.6%のそれぞれ顕著な増だったが、通信設備は23.5%の下落に。販売量指数は9.9%上昇。このうち、百貨と時計・ジュエリーがそれぞれ27.4%、26.0%上昇、通信設備は22.1%下落。

 今年第3四半期の販売量の見通しについて、調査対象となった小売店の40.9%が前年同期と変わらず、42.9%が減少見込み、16.2%が増加見込みと回答。また、商品の販売価格については78.0%が維持、15.3%が下落、6.7%が上昇見込みとした。このほか、今年第2四半期と比較した今年第3四半期の経営状況見込みについては、44.7%が悪化、35.7%が安定継続、19.6%が理想的との見通しを示した。

マカオ歴史市街地区にあるモンテの砦から望む町並み(資料)=2020年4月本紙撮影

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