中国本土、新型コロナ新規市中感染確認が4日連続ゼロ…市中の無症状患者は3日ぶり出現=10/9

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功したが、以降も局地的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 最近では、雲南省のミャンマー国境付近での市中感染確認が続くほか、7月下旬には江蘇省南京市の南京空港で感染力の強いデルタ株のクラスターが発生して各地へ波及するなどの事案があり、9月上旬には福建省の一部でデルタ株の市中における伝播が出現、21日には黒竜江省ハルビン市でもデルタ株の市中感染確認例が出現している。

 中国の国家衛生健康委員会が10月10日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、9日の中国本土における新規市中感染確認はゼロだったとのこと。中国本土で市中感染確認例がゼロとなるのは4日連続、10月に入って以降で5回目。市中の無症状感染例については3日連続ぶりに出現し、雲南省徳宏タイ族チンポー族自治州で1人だったという。

 直近の再流行に関して、黒竜江省のケースは累計約90人の感染確認があったが、ハルビン市および隣接市にとどまり、省外への拡散は確認されていない。福建省のケースでは累計感染確認が約470人に上ったものの、福建省の一部にとどまり、省外への拡散はなかった。いずれのケースも近日は新規感染確認例も減少傾向が続いており、黒竜江省では10月6日以降、福建省では9月29日以降、10月2日(アモイ市で1人)を除いてそれぞれゼロが続いている。

 10月9日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は731人(うち輸入性が500人)で、1人(輸入性1人)が重症。無症状の患者369人(輸入性352人)が医学観察下にあるという。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。今年5月下旬に広東省で発生した大規模再流行、7月下旬に南京空港で発生したクラスターに端を発し、10を超える省市とマカオへ波及した再流行についてもデルタ株によるものだが、それぞれ約1ヶ月で封じ込めに成功した実績がある。

 このほか、マカオ特別行政区では、9月下旬に隔離検疫用ホテルでクラスターが発生。隔離検疫期間中に感染確認された患者とマスクを正確に着用せず接触した警備員をきっかけに、警備員6人に拡散した事案。その後、10月初旬に内装工事現場でクラスターが発生し、感染確認された4人のうち1人が上述の警備員のうち1人とバス車内で乗り合わせたことがわかっており、ウイルスゲノム解析で感染源を同じとするデルタ株であることが確認されている。また、9日未明には、内装工事現場クラスターの患者1人の密接接触者の中から新たに2人の感染確認があった。マカオでは9月下旬と10月初旬に全市民を対象としたPCR検査がそれぞれ実施されており、結果は全員陰性だった。9日未明に感染確認された患者2人は、4日、5日に密接接触者として隔離検疫の対象とされ、検疫期間中に受けた検査結果が陽性となり、感染確認に至ったもの。

 香港特別行政区でも10月8日に約50日ぶりとなる市中感染確認例が出現。患者は香港国際空港でカーゴ関連業務に従事する男性。ウイルスゲノム解析の結果、9月に英国で見つかったデルタ株と近いことがわかったが、依然として感染経路は判明しておらず、調査が続いている状況。

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

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