香港、新型コロナ市中感染確認43日連続ゼロ…輸入性は3人、中国科興製ワクチンの接種加減年齢を3歳に引き下げ=11/20

 人口約740万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、5月にかけてようやく状況が落ち着き、5月末に終息した。

 6月以降は、上旬に1家族の女性3人の市中感染例、24日と27日にかけて空港での業務に従事する男性1人とその密接接触者の1人、7月2日に検疫用ホテルの清掃作業員の女性1人、11日に空港での業務に従事する男性1人の輸入関連性感染確認例(いずれも当初市中感染例からの変更)、8月5日には建設作業員(感染経路不明、これまで感染確認に至らなかった無症状感染者の再陽性事例)、8月17日に空港ラウンジ職員(感染経路不明、L452R変異株)、10月8日に空港カーゴ部門従事者(感染経路不明、L452R変異株)の市中感染確認があったが、市中における連鎖的な伝播は出現していない。

 香港衛生当局の発表によれば、11月20日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は3人で、すべて輸入性(海外からの入境者)とのこと。市中感染確認例に限ると43日連続ゼロを維持した。

 輸入性の患者3人はフィリピン、カナダ、パキスタン(トルコ経由)からそれぞれ空路香港へ到着。全員が新型コロナワクチンを1回または2回接種済みで、L452R変異株感染だった。

 このうち、フィリピンから到着の女性患者(31)はホームヘルパーとして就労するため10月23日に香港入りした後、専用の隔離検疫用施設に21日間滞在。隔離検疫期間中に複数回実施される検査をすべてパスしたが、雇い主宅で就労を始めた後に受けた検査で陽性となり、感染確認に至ったもの。無症状という。感染確認例の出現を受け、患者の雇い主宅のあるマンションの一棟が局地ロックダウンされ、ロックダウン区域内の全住民が強制ウイルス検査の対象となった。香港では、8月末から香港行き航空機搭乗前の陰性証明の取得、ワクチン接種完了、到着後に指定の検疫用ホテルで21日間の隔離検疫を受けることなどの条件でフィリピン及びインドネシアからの主にホームペヘルパー職の受け入れが再開となった。当該国から香港へ到着した後に感染確認される例が9月3日以降に相次いで出現している。

 翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)は5人以下という。

 香港における過去14日間(11月6〜19日)累計の新規感染確認は36人で、すべて輸入性事案。ここまでの累計感染確認数は1万2400人(擬似事案1人含む)。

 香港の11月19日午後7時時点のワクチン接種率は69.7%(1回目の接種完了)、66.7%(2回目の接種完了)となっている。累計接種回数は925万8041回、1日あたり接種回数は1万6504回(7日移動平均値1万4144回)。香港ではワクチンが充足している状況で、政府は9月末までに免疫の壁を構築するのに必要とする目標の接種率7割(1回目接種完了)を突破できるとする見通し示していたが、9月以降は接種回数の低迷が顕著で、11月に入って以降も未達が続く。なお、11月11日から3回目の接種(ブースター接種)がスタートし、上述の接種回数には3回目も含んだものとなっている。3回目の1日あたり接種回数は6059回、累計では7万0189回に。

 香港政府は20日、香港で使用されている2種の新型コロナワクチンのうち、中国科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製の不活化ワクチン「CoronaVac」について、接種対象年齢の下限を3歳まで引き下げることを承認したと発表。今後、12〜17歳の青少年への接種を優先して展開し、その後、段階的に下の年齢に拡げていくとする考えを示した。

 香港衛生当局では、近日の輸入性感染確認例のうち、ワクチン接種を完了している患者も少なくないとし、不要不急の外遊(特に高リスク地域)及び外地における不必要な大型集会やイベントへの参加を控えるとともに、外地滞在中はマスクの着用し続け、個人・環境衛生管理に努めるよう呼びかけている。

香港特別行政区のイメージ(資料)—本紙撮影

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