中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は112人…広東省深セン市と東莞市が主=2/26

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が2月27日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月26日の中国本土における新規市中感染確認は112人(前日から19人増)だったとのこと。内訳は、広東省48人(深セン市26人、東莞市22人)、内モンゴル自治区38人(フフホト市35人、フルンボイル市2人、包頭市1人)、広西チワン族自治区7人(防城港市)、遼寧省6人(葫芦島市)、天津市3人(東麗区)、四川省3人(成都市2人、眉山市1人)、北京市2人(朝陽区1人、昌平区1人)、江蘇省2人(蘇州市)、雲南省2人(臨滄市)、山西省1人(太原市)。中国本土で市中感染確認例が出現するのは134日連続。市中の無症状感染例についても15日連続で出現し、雲南省12人(臨滄市9人、紅河ハニ族イ族自治州3人)、広東省5人(深セン市4人、東莞市1人)、黒竜江省3人(黒河市)、天津市1人(東麗区)、上海市1人(浦東新区)の計22人。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、1月上旬から中旬にかけて珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市、2月6日以降に珠江東岸(香港寄り)の深セン市をそれぞれ中心として断続的にオミクロン株の市中感染確認例が出現。一旦は落ち着いていたが、深セン市で12日に6日ぶりとなる感染確認例が出現し、以降は26日まで15日連続。深セン市では、2月中旬に隔離検疫ホテルスタッフのオミクロン変異株によるクラスターが出現したほか、自主的に検査を受けた人が感染確認されるケースも相次いだ。同市の近日の市中感染事案の大半がオミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)と報告されている。広東省当局は、深セン市では感染者の出現範囲が広く、また伝播チェーンも複雑で、市中での伝播や市街への流出リスクが高いとの見方を示した。深セン市の北に位置する東莞市では、25日から大朗鎮の工業区域の一部を中心に感染者の確認が相次いでいる。これまでに判明したところでは、患者はいずれも同一伝播チェーン上にあるオミクロン変異株で、症状は軽いとのこと。陽性者が接触したフォークリフトのハンドル、照明のスイッチ、スマートフォンの表面などからウイルスが検出されたとした。

 2月26日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は2588人(うち輸入性が1404人)で、重症者は19人(うち輸入性1人)。無症状の患者924人(輸入性733人)が医学観察下にあるとのこと。

東莞駅(資料)=中国・広東省ー本紙撮影

東莞駅(資料)=中国・広東省ー本紙撮影

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では2月26日まで139日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。航空会社クルーをきっかけとした市中におけるオミクロン株伝播、ペットショップの輸入ハムスターが発端とみられるデルタ株伝播、隔離検疫ホテルにおける交差感染を発端としたオミクロン株の主に3つの伝播チェーンが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。2月中旬以降は単日の感染確認数が4桁となる日が続き、26日は流行開始以来最多を4日連続更新する1万7063人に。目下、香港ではステルスオミクロンの伝播が主となっているという。公立病院の隔離病床及び市中の隔離施設が深刻なキャパシティ不足に直面しており、中国中央のサポートを経て仮設施設の建設が進むほか、3月にかけて全市民を対象とした強制PCR検査が実施される予定。近日、港珠澳大橋を経由して香港から広東省珠海市とマカオへ向かった人が到着後に陽性が発覚するケースも相次ぐ。

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