マカオ「紅街市」が大規模改修へ…現役の公設市場として唯一の文化財認定受ける建造物

 このほどマカオ市政署(IAM)が、マカオ半島北部に位置する公設市場「提督街市」の大規模改修に着手する計画を明らかにした。

 提督街市は正式名称で、一般的には建物外観の色から「紅街市(レッドマーケット)」の通称で知られる。

マカオの公設市場「紅街市」外観(写真:IAM)

 紅街市は現役の公設市場として使われている建物の中で、マカオ政府文化局による文化財(芸術的価値のある建造物)認定を受ける唯一の存在。

 IAMによれば、紅街市は開設から80年以上が経過し、鉄筋の腐食、雨漏り、排水管の詰まりなど、老朽化に起因する多数の問題が報告されており、従来のメンテナンス方法では対処が困難となってきたことから、大規模改修の実施を決定したとのこと。

マカオの公設市場「紅街市」内観(写真:IAM)

 今回の大規模改修では、塩害により腐食した28本の柱を同サイズの鉄筋コンクリートの柱に置き換え、(日本風でいう)1階と2階部分の床面を再構築することなどを通じて建物の寿命を延ばすことを主とし、外観や階段といった特徴的な建築意匠については維持するという。また、バリアフリー化、空調設備の導入、トイレスペースの拡大と男女トイレの割合見直しなども予定しており、環境改善を図るとした。

 大規模改修の実施に伴い、紅街市は3月28日に一旦クローズし、翌日から近くに設けられる臨時街市が稼働する。IAMでは、工事期間は約2年間(657日間)の予定としている。

マカオの公設市場「紅街市」建設当初の外観(写真:IAM)

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