中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は12省市区で71人…広東省が主=3/1

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が3月2日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月1日の中国本土における新規市中感染確認は71人(前日から4人減)だったとのこと。内訳は、広東省32人(深セン市25人、東莞市6人、珠海市1人)、内モンゴル自治区16人(フフホト市)、吉林省4人(延辺朝鮮族自治州)、黒竜江省4人(ハルビン市2人、牡丹江市2人)、山東省4人(青島市)、四川省3人(成都市)、遼寧省2人(葫芦島市)、広西チワン族自治区2人(防城港市)、天津市1人(海浜新区)、山西省1人(晋中市)、上海市1人(普陀区)、雲南省1人(徳宏タイ族チンポー族自治州)。中国本土で市中感染確認例が出現するのは137日連続。市中の無症状感染例についても18日連続で出現し、広東省13人(東莞市)、黒竜江省12人(ハルビン市6人、牡丹江市4人、黒河市2人)、雲南省9人(徳宏タイ族チンポー族自治州4人、臨滄市3人、紅河ハニ族イ族自治州2人)、広西チワン族自治区8人(防城港市)、吉林省4人(延辺朝鮮族自治州)、上海市1人(嘉定区)、四川省1人(綿陽市)の計48人。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、2月6日以降に珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的にオミクロン株の市中感染確認例が出現している状況で、3月1日まで18日連続で感染確認例が出現している。中でも、深セン市については、近日の市中感染事案の大半がオミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)と報告されており、感染者の出現範囲も広いという。深セン市の北に位置する東莞市では、2月25日から大朗鎮の工業区域の一部を中心に感染者の確認が相次ぐ。新たに同市の常平鎮と虎門でも新たに感染確認または無症状感染者が出現したが、3エリアの伝播チェーンに関連性はなく、それぞれ感染経路が異なるとされている。珠海市の感染確認例については隔離検疫ホテルのスタッフという。同市では近日も同様の事例があった。

 3月1日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は2999人(うち輸入性が1723人)で、重症者は19人(うち輸入性1人)。無症状の患者1209人(輸入性896人)が医学観察下にあるとのこと。

中国広東省深セン市の繁華街「東門歩行街(老街)」(資料)—本紙撮影

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では3月1日まで142日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。航空会社クルーをきっかけとした市中におけるオミクロン株伝播、ペットショップの輸入ハムスターが発端とみられるデルタ株伝播、隔離検疫ホテルにおける交差感染を発端としたオミクロン株の主に3つの伝播チェーンが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。2月以降は感染確認数が急増しており、2月28日と3月1日にかけて2日連続で単日3万人を上回り、第5波開始以来の累計は約22万人に。目下、香港ではステルスオミクロンの伝播が主となっているという。公立病院の隔離病床及び市中の隔離施設が深刻なキャパシティ不足に直面しており、中国中央のサポートを経て仮設施設の建設が進むほか、3月にかけて全市民を対象とした強制PCR検査が実施される予定。近日、港珠澳大橋を経由して香港から広東省珠海市とマカオへ向かった人、深センとの間を往来する貨物車の運転手が到着後に陽性が発覚するケースも相次いでいる。

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