香港、新型コロナ新規感染確認数3万1008人…3日連続減、流行第5波累計は約45.8万人、ワクチン接種率9割達成=3/6

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。

 第5波のきっかけとして、隔離施設での検疫が免除されていたキャセイパシフィック航空のクルーが検疫規則に違反して外食に出かけた「望月樓」レストランに居合わせた人たち(オミクロン変異株)、市中に戻った後に隔離検疫ホテル滞在中の交差感染が発覚した女性(オミクロン変異株)、複数店舗で販売されていたオランダから輸入のハムスター(デルタ変異株)の3つが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。2月に入って以降、市中における新規感染確認数が急増し、医療システムのキャパシティが限界に達するなど、状況が深刻化。近日、市中における伝播はオミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)が主とされている。

 香港衛生当局の発表によれば、3月6日午前0時時点集計の単日の新規感染確認は前日から6521人減(17.4%減)の3万1008人だったとのこと。3日連続で減少となった。内訳は市中が3万1006人、輸入性(海外からの入境者)が2人。第5波開始以来の市中感染確認数の累計は約45.8万人に。

 現在、感染確認数はPCR検査を経て陽性となったケースのみがカウントされており、スピード抗原検査キットを使って陽性が判明した人は含まれない。当初予定より遅延が生じているが、近くスピード検査の結果が陽性だった場合にオンラインで報告を行うプラットフォームが稼働予定となっており、稼働すれば数字の大幅増も予想される。

 公立病院における6日未明時点の直近24時間の感染者の死亡者数は153人(35〜105歳、ワクチン未接種114人)で、第5波開始以来の累計死亡者数は1794人(11ヶ月〜108歳、10歳以下4人)、年齢中位数は85歳、死亡率は0.39%。

 第5波下、高齢者介護施設及び障がい者施設に関連する感染例が多く確認されている。これまでに感染例が出現した高齢者介護施設は施設総数の83%にあたる662軒、感染した利用者の数は約1万3000人、スタッフは約3450人。障がい者施設については63.6%にあたる213軒、利用者の数は3800人、スタッフは1370人に上っているという。

 2月以降の感染急拡大を受け、検査体制の逼迫、公立病院の隔離病床の不足が深刻化している状況で、感染確認または陽性となった人が自宅での待機を余儀なくされているケースも多い。目下、政府がホテルの借り上げや公営住宅の転用、中国中央政府の支援も得て仮設の大規模隔離・治療施設の建設を進めているほか、各種防疫措置の強化、全市民を対象とした強制PCR検査の実施なども発表済み。

 香港の3月5日午後8時時点のワクチン接種率は90.1%(1回目の接種完了)、78.0%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。3〜11歳の1回目接種率は42.4%。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、市中感染確認例が相次ぎ出現したこと、ワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。5日単日の接種回数は7万9708回で、高位を維持。政府は免疫の壁を構築するための目標として接種率9割の達成を掲げており、ワクチンパスが2月24日から本格スタートした。

 香港で新型コロナワクチン接種プログラムがスタートしたのは昨年2月26日のこと。接種率50%を達成したのは8月5日で、以降は70%が11月23日、80%が今年2月6日、90%が3月5日。ただし、新たに接種対象となった3〜11歳のほか、70〜79歳が78.6%、80歳以上が51.6%と大きく平均を下回る。

香港の町並み(資料)—本紙撮影

香港の町並み(資料)—本紙撮影

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