中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は12省市区で175人…山東省が過半、広東省では22日連続=3/5

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が3月6日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月5日の中国本土における新規市中感染確認は175人(前日から73人増)だったとのこと。内訳は、山東省88人(青島市)、吉林省25人(吉林市9人、延辺朝鮮族自治州9人、長春市7人)、広東省20人(深セン市17人、東莞市2人、河源市1人)、河北省14人(石家庄市5人、保定市4人、ケイ台市4人、邯鄲市1人)、内モンゴル自治区9人(フフホト市7人、オルドス市1人、フルンボイル市1人)、広西チワン族自治区5人(百色市)、江蘇省4人(連雲港市)、雲南省4人(徳宏タイ族チンポー族自治州3人、臨滄市1人)、浙江省2人(杭州市)、陝西省2人(西安市)、山西省1人(晋中市)、河南省1人(鄭州市)。中国本土で市中感染確認例が出現するのは141日連続で、3桁となるのは2日連続。市中の無症状感染例についても22日連続で出現し、吉林省36人(吉林市28人、延辺朝鮮族自治州7人、四平市1人)、広東省33人(東莞市)、上海市28人(松江区7人、閔行区6人、嘉定区4人、徐匯区3人、宝山区2人、浦東新区2人、黄浦区1人、普陀区1人、青浦区1人、奉賢区1人)、雲南省17人(徳宏タイ族チンポー族自治州)、広西チワン族自治区7人(防城港市6人、百色市1人)、江蘇省3人(連雲港市)、浙江省1人(嘉興市)、湖北省1人(武漢市)、海南省1人(三亜市)の計127人。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、2月6日以降に珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的にオミクロン株の市中感染確認例が出現している状況で、3月5日まで22日連続で感染者が出現している。中でも、深セン市については、近日の市中感染事案の大半がオミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)と報告されており、感染者の出現範囲も広いとされる。深セン市の北に位置する東莞市でも大朗鎮、常平鎮、虎門鎮の3エリアで別々の伝播チェーンが出現しているとのこと。

 3月5日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は3691人(うち輸入性が2281人)で、重症者は14人(うち輸入性3人)。無症状の患者1647人(輸入性1077人)が医学観察下にあるとのこと。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では3月5日まで146日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。航空会社クルーをきっかけとした市中におけるオミクロン株伝播、ペットショップの輸入ハムスターが発端とみられるデルタ株伝播、隔離検疫ホテルにおける交差感染を発端としたオミクロン株の主に3つの伝播チェーンが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、3月5日までの累計は約42.8万人に。目下、香港ではステルスオミクロンの伝播が主となっているとされる。公立病院の隔離病床及び市中の隔離施設が深刻なキャパシティ不足に直面しており、中国中央のサポートを経て仮設施設の建設が進むほか、3月にかけて全市民を対象とした強制PCR検査が実施される予定。近日、港珠澳大橋を経由して香港から広東省珠海市とマカオへ向かった人、深センとの間を往来する貨物車の運転手が到着後に陽性が発覚するケースも相次いでいる。

中国・上海(資料)—本紙撮影

中国・上海(資料)—本紙撮影

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