香港の新型コロナ新規感染者数429人…10日連続1千人以下、ピーク後最少の更新続く=4/24

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。

 2月から3月にかけて、オミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな下落傾向を維持している。

 香港衛生当局が4月24日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から94人減(18.0%減)の429人(輸入性19人含む)とのこと。内訳はPCR検査経由が221人、迅速抗原検査経由が208人。4日連続減少、10日連続で1千人以下を維持し、ピーク期以来の最少を更新した。第5波開始以来の累計感染者数は118万9229人。

 新たに医管局から報告された死亡者数は13人で、第5波開始以来の累計死亡者数は9036人、総体死亡率は0.76%。

 香港では、イースター連休明けの4月19日から小学校の対面授業が再開(毎朝登校前に迅速抗原検査を実施し、結果が陰性の場合に限り登校できるルール)、21日からはソーシャルディスタンス措置が一部緩和(バーを除く飲食店の夕食時間帯の営業解禁、同卓制限の緩和、映画館・テーマパーク等の再開、集団制限措置の緩和ほか)となったが、これまでのところ新規感染確認数への影響は見受けられない。

 当局は24日夕方の会見において、現時点の感染確認数レベルは安定的といえるが、単日400〜500人という数は比較的多いといえ、しばらく経過観察をした上、一層のソーシャルディスタンス措置の緩和等を判断するとの考えを示した。今後、メーデーに母の日(仏誕節のパブリックホリデーと重複する)と連休が続く中、再度の感染拡大を防ぐため、ソーシャルディスタンスの確保及び外出時のマスク着用の徹底を呼びかけた。

 香港の4月23日午後8時時点のワクチン接種率は92.9%(1回目の接種完了)、87.1%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。3〜11歳の1回目接種率は65.9%。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。ただし、近日は再び頭打ち状態に。23日単日の接種回数(1〜3回目の接種合計)は2万6039回で、7日移動平均は2万3260回。年齢層別の接種率では、新たに接種対象となった3〜11歳のほか、70〜79歳(83.4%)と80歳以上(61.9%)が大きく平均を下回っており、接種率向上策が講じられている。当局は、4月末までに高齢者の接種率9割を達成することを目標として掲げ、訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策を講じている。

香港の町並み(資料)—本紙撮影

香港の町並み(資料)—本紙撮影

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