香港の新型コロナ新規感染者数431人…5日ぶり微増も11日連続1千人以下=4/25

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。

 2月から3月にかけて、オミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな下落傾向を維持している。

 香港衛生当局が4月25日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から2人増の431人(輸入性16人含む)とのこと。内訳はPCR検査経由が242人、迅速抗原検査経由が189人。5日ぶりにわずかな増加に転じたが、11日連続で1千人以下を維持した。第5波開始以来の累計感染者数は118万9660人。

 新たに医管局から報告された死亡者数は11人で、第5波開始以来の累計死亡者数は9054人、総体死亡率は前日から横ばいの0.76%。

 香港では、イースター連休明けの4月19日から小学校の対面授業が再開(毎朝登校前に迅速抗原検査を実施し、結果が陰性の場合に限り登校できるルール)、21日からはソーシャルディスタンス措置が一部緩和(バーを除く飲食店の夕食時間帯の営業解禁、同卓制限の緩和、映画館・テーマパーク等の再開、集団制限措置の緩和ほか)となったが、これまでのところ新規感染確認数への目立った影響はない。

 当局は25日夕方の会見において、小学校関連で新たに19人の陽性事案が報告されたことを明らかにした。すべて別の学校とのこと。内訳は迅速抗原検査経由が14人、PCR検査経由が5人。前者のうち8人が25日の報告分で、5人が同日から登校予定、3人については前週登校していたという。後者については局地ロックダウンの対象となったマンションに居住していた、あるいは症状が出現したためPCR検査を受けたケースとした。これまでのところ同一の学校内で爆発的感染に至ったケースはないとのこと。ただし、3〜11歳のワクチン接種率が依然として政府が理想として掲げる水準に至っておらず(詳細後述)、保護者に対して早めに摂取を受けさせるよう呼びかけた。

 香港の4月24日午後8時時点のワクチン接種率は93.0%(1回目の接種完了)、87.2%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。3〜11歳の1回目接種率は66.1%。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。ただし、近日は再び頭打ち状態に。24日単日の接種回数(1〜3回目の接種合計)は1万4524回で、7日移動平均は2万2679回。年齢層別の接種率では、新たに接種対象となった3〜11歳のほか、70〜79歳(83.4%)と80歳以上(62.0%)が大きく平均を下回っており、接種率向上策が講じられている。当局は、4月末までに高齢者の接種率9割を達成することを目標として掲げ、訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策を講じている。

香港のイメージ=香港島・中環にて本紙撮影

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